受講生の皆様、お疲れ様です。
現在、TAC行政書士第1回公開模試の記述を採点しています。
全国の講師にデータが送られているので、私は今のところ京都校の方の答案は採点していません。
さて、まずは各問題の第一印象を。
1問目
特に上手く作ってる。出題可能性のある条文だということは基本講義で伝えているが、辿り着きにくい。そもそもこの条文知識を重要条文だと認識していない受験生も沢山いたでしょうから、なかなか良い狙いではないか
2問目
苦手とする受験生が多い論点。しかし、要件自体は比較的易しいはず。何度か要件は記述でも注意と講義で言っていた。本質的に論点を理解していれば落ち着いて考えれば要件は導ける、と従たる権利と絡めて説明していた。最終的にはどこまで問題文を正確に読めたかの勝負
3問目
手薄な人が多いかな、という印象。ただ、出題者の易しさを感じはする
簡単な講評
全体
記述が書けないと、「知識が覚えられていないからだ」と暗記に走る方がいますが、キーワードの正確な暗記はある程度意味はあるのですが、だからと言ってそれだけでは記述式の点数は安定しません。今回の記述式で試されていることは、3問通じて「問題文を正確に読むことができるか」に尽きると思います。これが出来ないと知識を入れても適切な所で出力できず、いつまでも点数は安定しない。
難易度としては本試験と同レベルか、少し高めかなと思います。今回30点死守出来ている人はある程度自信を持っていいのではないでしょうか
問題44
処分があって、納得いなかいから取消訴訟をしている。ということは処分性は満たしているでしょう。悩むとしたら原告適格がないから却下かな、というところでしょうか。これなら0点ですが論理の筋はある程度納得できる。個人的には。しかし、原告適格の基礎知識ですが、法律上の利益あれば第三者でも可能なはず。訴えの利益は当然あるし・・・、ということで行き詰る人が多かったのではないか。ここで問題文を良く読む。問題文本文下から5行目でAがどのような主張をしているのか。これに対応する条文知識はなかったか。ある判例を使って記述で出題される可能性がある、と言っている知識があった(今回はその判例ではないが)。ここまでくればあの条文知識からのあの判決と芋づる式に出せる。
本問は「行政事件訴訟法に照らし」とあり行政事件訴訟法の条文の中に答えがある。逆に言うならば、そのことを意識し問題と向き合い、Aの主張をしっかり読んであの条文に気づけるくらいに条文知識の精度を高めて臨むことが求められている
問題45
論点自体は気づけている人が多いのではないか。あとは問題文をどこまで正確に読めたかどうか。いつの時点で何が誰所有なのか等、認定されていないことを勝手に認定していると、書き漏らしが確実に起こる。やはり、問題文を正確に読むことが大きな分岐点となる
問題46
そこから来るか、という論点から。このようなことがあるので、森永クラスでは直前期はインプット中心に一週間一回転を推奨しています。仮にそれが3回転くらい既に出来ているのであれば、あそこの話だということ、そしてそれが2種類あったことは思い出せるはず。問題文を読んだらAが免責されると書かれているんだから、ほぼほぼ解答例前半は問題文で誘導されている。なんとこれさえ書けば10点くれる。難問に見せかけて、問題文をしっかり読み、日々択一知識を広く浅くしっかりと確認している人には気前よく部分点をくれるという問題
問題45で論点を、問題46の前半をしっかり認定して最低限の部分点を取ることが大切。論点に辿り着けていれば問題45の前半もある程度部分点を取ることができる方が多いと思うので、ここまでで30点近い点数を取りたい。
問題44があの条文知識に辿り着けていたり、問題46の後半で上積みできていれば上位レベルでしょうか。
明日以降もなんらかの記事は書きます(公開模試のことか、はたまた小旅行した話か・・・)。よければ来てください。
では今回はここまでとします。お疲れ様でした。