耐久レース | 森永の小部屋 

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主に教室受講生に対して書いているブログです。このブログはTACの公式見解ではなく、森永個人の主観に基づくものです。たまにどうでもいいことも書きます。また、記事は万全を期しておりますが、万が一不利益を被られたとしても責任は負わない旨ご了承ください。

受講生の皆様、お疲れ様です。

 

総合答練が近づいてきました。

 

数週間前から、「一週間一回転」と言っておりました。勉強は順調に進んでいるでしょうか?

 

ほとんどの受講生の方が、「思うように回せていない」と感じていると思いますし、それで当然だと思います。

 

大事なことは、ゴールから逆算することです。今年の本試験の直前、最後の一週間で、どのような教材をどのように処理するのか。そのシュミレーションを数週間前から行っていることになります。

 

いきなり上手くいくわけがありません。一週間ごとに工夫や修正を加え、自分にとってベストな過ごし方を確立しましょう

 

そして、調子のピークを日曜日に持っていくことも意識しましょう。

 

なんとなく、今日は問題が解けるな

 

なんとなく、今日はスイスイとテキストが読めるな

 

という日があると思います。逆もありまして、今日は思うように問題が解けないな、という日もあるでしょう

 

自分がどのような勉強をし、どのような日々の過ごし方をしていると勉強のピークがくるのか、ということをある程度掴む必要があります

 

例えば、インプットだけに偏り過ぎているときは問題を解く感覚が鈍るな、ですとか、睡眠時間が○○時間を切ったら思考力が低下するな(逆に言えば、○○時間取れていれば大丈夫等)、などなど自分の調子にも目を向けてください

 

そして、日曜日にピークを持っていくことを意識する

 

もちろん、そのような意識をしても、日曜日にピークがこないこともありますし、思わぬ体調不良等もあるでしょう。しかし、何も考えずに過ごしている受験生に比べれば、このようなことを意識しつつ約2カ月過ごした受験生とでは、同じ能力、同じ勉強時間であっても力の差がつくと思います

 

そして、ピークを日曜日に持っていくだけでなく、必ず一週間一区切りで、日曜日を締め切り日として、自分なりに極限まで実力の向上を図ること

 

記述対策講義でも言ったのですが、締め切りがないと、普通の人はそうそう記憶が捗りません。次の日曜日までに最大限の努力をする

 

これも、日々とりあえず勉強をこなしているだけの受験生に比べ、意識の持ち方一つで、2カ月後に力の差となって現れるはずです

 

一週間で全科目にそれなりに目を通し、目を通すだけでなくそれが表現できるように、死に物狂いで頭に焼き付けるように読みこみ、問題を解き、処理をすることは大変な苦痛を伴います

 

毎年言うことではありますが、資格試験は、最後は耐久レースとなります。この苦しさを感じないような勉強は、楽な勉強をしているということです。ジョギングやマラソンで言うならば、自分が走れるペースで走っているだけ。それですと、一定のところでタイムは縮まらなくなりますし、通常そのような練習で、何かの大会に上位入賞することはできないでしょう。特殊な才能があれば別ですが。だからこそ、走ることを職業としていたり、そうなろうとする人たちは、自分より速い人に徹底的に鍛えてもらったりしながら練習を重ねます

 

資格試験は、並走してくれる人はいません。自分一人で、能力を最大化できるように追い込みつつ勉強をしなければいけません。合格率は5~10%なるのが通常です。確実に受かるためには、100人中5番までに入らないといけません。楽な勉強をしていては、通常入ることはできません。苦しい勉強から逃げず、一瞬一瞬を大事に過ごしてください

 

さて、厳しいことをツラツラと書いてきましたが、最後に少し優しい言葉も

 

大前提としまして、ここまで書いたように、ここから先の数週間は、徹底的に自分を追い込みつつ勉強ができなければいけません。実力が上がっていない気がしても、答練で思うような点が取れなかったとしても関係なく、日々出来る限りのことをし尽し、本試験に備えなければいけません。それが出来るのであれば、現時点の実力に関係なくチャンスはあります。ほとんどの方が逃げをうってしまうときがくるからです

 

ということで、苦しい勉強を乗り越えるのは当然としまして、それでも完璧にはならないという話を

 

所詮は人間のやることです。完璧にはなりません。たかだか、46ヶ条しかない行政手続法ですら完璧にはなりません。

 

36条の2を全文書き出しなさい

 

といわれて書ける人はたぶんいないでしょう。たかだか、6ヶ条しかない行政代執行法でもそうなんじゃないでしょうか

 

行政代執行法6条を全文書き出しなさい

 

ひょっとしたら出来る人がいるかもしれません200人に1人くらいはいるかもしれません。普通に勉強しているだけでこのような要求に答えられる人が

 

私自身もそうでして、昨年はマイナンバー実務検定1級、今年は相続アドバイザー2級、そして、社会保険労務士試験と受けてきまして、おそらく全ていい結果になるかと思うのですが、それぞれの試験の直後、自己採点で合格を確信したり、合格発表で合格を知ったときに思うことは

 

こんないい加減な状態で受かるんだ

 

というものです。自分が想定していた、「本試験日の自分」には到底及ばない、不十分極まりない自分ではありますが、なんとか合格を掴めてきました。

 

合格者の大半は、このような状態です。私自身の成績も、合格者の中でも中位~上位ですので間違いはありません

 

合格者のレベルはそこまで高いわけではありません。講師の視点からすれば、甚だ不十分な状態で受かる人もいます。ということは、不合格になってしまう方の多くは、仮に点数は合格点付近であったとしても、その状態にすら達していない、という事実があります

 

この事実をどうみるか

 

「死に物狂いで頑張ったら、届くかもしれない」と思うか

 

「必死に頑張ってもみんなそんなものにしかならないのか。じゃあどれだけやっても完璧にはならないんだなぁ」と思うか

 

どうとらえるかで、今後の過ごし方や伸び方は変わると思います

 

駄目だなぁ

 

不十分だわ

 

出来ないことばっかり

 

と思っていても、実は手の届くところに合格ラインはある。本試験を受けてみたら、実はあと数点で合格だった、という話は受験界に吐いて捨てるほどあります

 

そのようなときには、悔やんでも悔やみきれません。そのまま諦めることになってしまうのか、それとも「また一年」となるかです

 

そのようなことは避けたいのではないでしょうか。それを避けてほしいのです。だからこそ、自分の状態が望んでいる状態からほど遠く感じても、今を大事に過ごしてください。次の日曜日が本試験日だとしても、変わりがないくらい勉強時間を捻出し、集中してこなすこと。それを数週間重ねていくこと

 

それさえできれば、届かないはずがありません。実力差は意外と紙一重。本試験日に頭一つ抜け出せるように、耐久レースを乗り越えてください

 

では今日はここまで。お疲れ様でした。