途中 | 森永の小部屋 

森永の小部屋 

主に教室受講生に対して書いているブログです。このブログはTACの公式見解ではなく、森永個人の主観に基づくものです。たまにどうでもいいことも書きます。また、記事は万全を期しておりますが、万が一不利益を被られたとしても責任は負わない旨ご了承ください。

受講生の皆様、お疲れ様です。

 

今日は、行政書士試験の合格発表がありました。

 

昨年の受講生の方にとっては、これでようやく、昨年の行政書士試験が終わったこととなります。

 

【受験者数】 40,449名 (前年比-604名)
【合格者数】 6,360名 (前年比+2275名)
【合格率】  15.7% (前年比+5.75%)
【合格者平均点】 200点 (前年比+4点)
 

こちらが、行政書士試験研究センターが発表した数字となります。

 

まず、合格率は近年にないほど高く、合格者数も多くなりました。

 

昨日のブログでも書いておりましたが、今回の試験での択一正答率は高く、それがモロに反映された結果と言えるでしょう。

 

また、合格者平均点自体は、昨年に比べて4点しか上がっていない、ということも読み取れます。

 

択一式の正答率が大きく上がっているにもかかわらず、平均点自体は択一式1問程度しか点数が上がっていない、ということは、記述式の採点基準が昨年よりも厳しくなったと読み取るのが自然でしょう。

 

ただ、合格率が異様に高いため、昨日の記事でも書いたように、めちゃくちゃな採点基準はとっていないはずです。

 

ということで、昨日書いたとおり、そこまでめちゃくちゃな基準は採らないが、昨年よりはやや厳し目、という基準が採られたのだと推測します。

 

ただ、私が想定していたよりも、合格率は高くなりました。これは、「受験生のレベルが上がっている」と言えるでしょう。これを想定して今年の本試験問題が作られるはずです。また、近年の合格率の流れからすれば、今回の合格率は頭一つ抜けています(没問があるときは上がったことがありますが)

 

今後、試験センターが、合格率を今回のように15%前後とするか、というと、おそらくしないはずです。今まで通り10%前後で推移させたいのではないでしょうか。今回は、それが押さえきれなかった。無理矢理、基準を厳しくして押さえ込むことは選択しませんでしたが、今後は択一式を難化させ、今回と同じような採点基準でも合格率を10%前後にしようとするのではないかな、と現時点では推測しています。

 

さて、合格した方。

 

おめでとうございます。

 

目標を設定し、ある程度の期間真摯に向き合い、目標を達成することは、それほど簡単なことではないと思います。今回の経験を糧とし、さらなるご活躍を祈念しております。

 

さてさて、皆さんは、新しいステージに立つことが出来る、そんなパスポートを手にしました。しかし、旅の安全までは、パスポートは保証してくれません。

 

遺言書書いてください

 

家族信託に関して教えてください

 

相続人ってどうやって確定するんですか

 

会社設立したいんですけど

 

帰化申請ってどうやったらいいんですか

 

おそらく、何一つとして、正確に答えられる合格者はいないのではないか、と思います。

 

しかし、登録したら(場合によっては登録しなくても)困っている方から「先生、助けてください」と言われるわけです。

 

ここから先のステージに進むのであれば、今までよりも厳しいステージとなります。何しろ、責任が増します。自分一人の合否だけでなく、人の人生にも責任を持つこととなります。

 

ここから先の競争相手は、合格者だけです。みんな合格者です。基本的には。その人たちと渡り合い、収益を上げたり、人に感謝してもらうことには、これまで以上の努力を伴います。

 

などなどと、厳しいことも書きました。たぶん、現時点では誰も言ってくれないでしょうから。しかし、これが現実です。

 

しかししかし、皆さんは、このようなことにも耐えられる能力があるであろう、と国から認めてもらいました。それが国家資格です。

 

国に認めさせたその能力を、決して出し惜しみすることなく、今後の人生を謳歌していただければ、と思っております。

 

実務家になってもいい

 

登録しなくてもいい

 

他資格の勉強をしてもいい

 

将来の開業に向けて、とりあえず勉強を続ける、でもいい

 

どのような道に進んだってかまいません。しかし、それほど短くもない期間、お付き合いさせてもらった講師からすれば、「受験している期間と、合格発表の頃が一番良かったな」等と言うような過ごし方だけはしてほしくありません。

 

是非皆さんの能力を、自分のため、周囲の人のために使ってあげてください。

 

私も、皆さんに負けないように、これからも頑張っていきます。

 

最後にお願いを。

 

①合格の報告をお願いします。今度の日曜日は、9時半頃からいる予定ですが、来校はできなくても、TAC京都校の受付に電話だけでも結構です(サーコイ、ワンワン、にゃんにゃん【受講生にしか、意味わからないと思いますが〔電番です〕】)。その際に、お名前、会員番号、本試験受験番号をお伝えいただければ幸いです

 

②可能であれば、TACのホームページ内にあります、「合格者の喜びの声」に投稿していただいたり(既に投稿していただいた方もいらっしゃいますね。本当におめでとうございました)、「合格体験記」の執筆のご検討もお願い致します。

 

②はともかく、①は可能な限りお願い致します。また、出来れば、直ぐに来校出来なくても、後日でもいいので、本試験のときの記述の文章と、返ってきた点数を教えていただければ、今後の採点の参考になります。もちろん、強制ではありませんので、ご意思のある方は、森永までお願い致します。

 

 

 

さて、残念な結果となってしまった人もいらっしゃると思います。

 

出来る限りの努力を尽くし、それでも結果が出なかったときの苦しさは、私自身、人並み以上に理解できていると思います。そういうこと、わりかし多かったですから。

 

TACの講師としての立場からするならば、「もう一年頑張りましょう」ということが正しいのかもしれません。しかし、そう簡単に言うのは躊躇うわけです。

 

だって、大変ですから。この試験。

 

合格率が15%ですか。確かに近年の中でも合格率は高い。しかし、合格者の相当程度は、他資格受験生であるはずです。

 

今回の試験は、易しかったとは思います。しかし、あの試験を「易しい」と言えるためには、それ相当の努力がいります。単に本屋で教科書買って、それなりに問題集解いて、それで「易しかったわ」と言って受かれるか、というと、そんなことがあるはずがないのは、皆さんが一番理解されているはずです

 

あと○○点だけだった

 

今年は難しくなると思います。また、一般知識にしても記述にしても、昨年の本試験と同じようには出さないでしょうから

 

となると、どのような試験になっても、高確率で合格するための勉強をしなければいけません。そして、あの直前期をまた過ごさなければいけません。というか、昨年と同じことをしていても、同じ結果となる可能性が高いでしょうから、それを上回る努力をしなければいけません

 

それが分かっているから、気安く言えないわけです。「あと一年」と。

 

じゃあ、どうしたらいいのか

 

それは、それぞれが決めるべきことだと思います。講師として、そして、資格試験の先輩として、敢えて言うとするならば、例えば5年後に、「あの時、もう少しやっとけば良かったな」と思うのであれば、やったほうがいいと思います。

 

一般的に、先に行けばいくほど、キツさが増します。

 

今は結婚していなくても、将来するかもしれない

 

今結婚していて子供はいないが、将来子供が出来るかもしれない

 

今よりも、負担の大きい部署に転換されるかもしれない

 

先に行けばいくほど、体力が落ちてくる

 

大きな流れでみれば、本試験はだんだん難化していく

 

などなどがその理由となります。そのとき、例えば就業時間が減った、仕事にやりがいが持てなくなった、人間関係に行き詰ったなどなど、考えだしたら切りがないくらい、人生は動いていくでしょう。そのようなと時に、いざとなれば独立する道が開ける資格があったほうが良いことは間違いないと思います。

 

既に述べた、キツさを超えて、それでも取りたいのであれば、もう一度奮い立ってチャレンジするべきなのかな、と思いますがどうでしょうか。

 

負けてへんねん。これは、勝つ途中やから

 

そういってた人がいました。ちなみに、偉人とかではないですが。個人的には、なんかスッときた言葉です

 

勝ってへんねん。まだ勝ち切る途中やから

 

今回負けた人でも、今年の試験に受かって、将来活躍する人もきっといます

 

今回勝てても、それが生かせず終わってしまう人も必ずいます

 

今回の結果は、あくまでその途中。浮かれ過ぎず、落ち込み過ぎず、いずれにせよ次のステップに進んでください

 

日曜日の京都校に来ていただければ、合格者の今後のことでも、今後の受験についてでも、いくらでも話は聞きますので

 

では今日はここまで。本当にお疲れ様でした。