2016年度本試験講評③ | 森永の小部屋 

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主に教室受講生に対して書いているブログです。このブログはTACの公式見解ではなく、森永個人の主観に基づくものです。たまにどうでもいいことも書きます。また、記事は万全を期しておりますが、万が一不利益を被られたとしても責任は負わない旨ご了承ください。

受講生の皆様、お疲れ様です。

 

今日は択一行政法の講評を。今回の試験では、記述・一般知識がきつかったので、ここの出来が重要だったかな、と思います。

 

問題8

長文問題で、時間がかかるように細工はしていますが、基本が問われているにすぎない問題。結局のところ、アやエが判断できるかどうかが全てなのかな、と思います。本質的な理解が出来ていれば楽に解ける。それに対し、文字でしか頭に入れていないとほとんどの肢が正しく見える良問かと

 

問題9

まず、昨年と違い判例重視の本試験となりました。一昨年までに回帰した感じですね。しかも長文問題。ただ、この問題も、出題が予想された裁量からであり、基礎的な内容が把握できていれば、それほど時間をかけずに正解肢を判断することができるはず

 

問題10

2択まではいける問題。ただ、やや舌足らずというか、不正確といえなくもない作りなので迷う。肢1が正しいのですが、正確に言うならば、先になされた客観的な違法を後の訴訟でそれに反する違法を主張できません。ただ、この聞き方なら、ギリギリ正しい肢とも読める。最後はアとイの比較になるのかな、と思いますが、イは文句のつけようがないため、比較しつつ選ぶしかないかな、と思います

 

問題11

いつも言っていた、お決まりの出題パターン。これは落とせません

 

問題12

基礎

 

問題13

講義でバリバリ説明していたのが正解肢。速攻で判断し次の問題に行ってほしい

 

問題14~16

予想通り、今年の不服審査法は3問。どれも、基礎知識と言っていいかと思います。少なくとも、基礎的な条文知識中心で、トリッキーな問題はないかと

 

問題17

簡単だと思います

 

問題18

全体的にやや細かい

 

問題19

簡単

 

問題20

講義でもしっかり扱っていた民法と国賠。落とせません

 

問題21

肢1は具体化すれば明らかにおかしい。肢4は基礎知識。肢5もガソリンタンクの事件。肢2と3の二択には

 

問題22

細かい。ただ、肢5で粘れていたかどうか。行政区ならわかります。しかし、特別区です。特別区。これを条例で勝手に作れるのでしょうか。このあたりの粘りが合否を分ける

 

問題23

さすがに細かいか

 

問題24

これは一般知識。地方債で許可はおかしい。難化したといえる地方自治ですが、この問題のおかげで現場でホッとした人も多かったのでは

 

問題25

肢1は判断できるはず。力のある人は、結構肢1だけでスパスパいけるように作られてますね

 

問題26

最終講義でも言っていた、時間をかけさせるタイプの問題。判旨を読まずに解くことも可能、ということでしたね。正解肢はしっかり説明した話。取れないといけません

 

行政法択一で落としても仕方がないかな、というものは、個人的には問題10、18、23かなと思います。途中、判断し辛い問題もありましたが、問題25、26は通常取り辛い箇所なんですが、今回は取らせてくれました。よって、難易度は普通。19問中14問は取りたい。

 

さて、試験から数日経ちましたが、どのように過ごされているでしょうか。直前期に言っていたように、「どのような結果でも受け入れられる」といえるだけ、努力をすることが出来たでしょうか。

 

あるスポーツ選手が、試合に負けて泣いていました。その選手を見てコメンテーターが、「泣いているということは、まだまだやり残したことがあるということ。あの王選手は、引退する際、全てをやり尽くして、涙も出なかったそうですよ」と言っていました。

 

いい結果が出た方ばかりではないと思います。悔しい思いがあるかどうか。後悔が残っているかどうかが、大事なのかもしれません。

 

悪い結果だったけど、悔しい思いもなければ後悔もない

 

というのであれば、この試験を受け続ける意味はないかもしれません。

 

逆に、それほど努力は出来なかったけど、たまたま受かったという人は、今回は上手くいきましたが、今後上手くいく保証はありません。

 

試験に受かってもそれを生かせない人もいれば、そうでない人もいます。また、その試験に落ちたとしても、その後の努力で成功を掴む人もいるでしょう。

 

私個人としましては、これほど大変な試験に、これほど頑張ってきたのですから、この期間を無駄にはしてほしくないと思います。

 

この試験から撤退するにしても、しないにしても、大切な時間を削って作った大変だった時期を生かしていただければな、と思っております。

 

では、今日はここまで。また明日。