このウィキペディアを読んで
私が20歳で見たぶ～け増刊の作品が
最後の発表作品だった事実に愕然とした。
まるで昨日のように
その本があった本屋の風景や
本の重さや質感を覚えているのに
もうあれから40年・・・って。
この本も津波で無くした本。
漫画をまだまだ読んでいた時期だった。
この後夫に出会ったり
演劇を作ることになり
朝から晩まで家にいない
テレビも本も読まない時代に突入していくのだけど。
最後の作品を読んでから
本屋で見かけて買ったのがこの本だった。。
にんまりそしてほっこりして
そして人物のモノローグを通して
懐かしい感情を自分の中で再現できる作品。
人にとって
帰れない過去への慕情や後悔
そして現在の恋や嫉妬や欲望は
永遠にリピートできる
本棚の中の美しい絵本のような
または角の痛んだ箱入りのビデオテープ。
タイトルの「夢みる・・」の概要は
恋に傷ついた少女クロエは地球を離れ
遠い星の住人の家庭教師になり
ウサギに変えられた王子に出会い
この星に潜む陰謀に気づく。
彼女と知り合った銀河パトローラーの
機転と働きによって
国家と命の危機は一件落着。
しかし七色の雨が降り
地球のファンタジーが再演される夢の星で
クロエの心に思い浮かぶのは
別れた恋人と過ごした唯一無二の時間と
彼が話していた古い町だけだった。
銀河パトローラーによって
今は16年後になっている地球で
彼が彼女を待っていると知らされ
クロエは地球に帰ることを決意する。
言葉に詩情とユーモア
絵に有限無限の色が付いた空気がある。
映画を愛した人らしい
大胆な場面転換と粋なセリフ割。
寡作だったのが本当に惜しい
唯一無二の世界観を持った作家だと思う。
今もどこかでお元気に
映画や漫画を愛しておられたらいいな。
夢見るままに年を重ねても
帰りたい思い出が増えてきたやるせなさを
12年ぶりに手にした本を読んで感じた私です。
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