本を見ていたら 『花ごはん』 というのがあった。
ライスサラダ風に味付けしたごはんにハーブの花を散らした、チラシ寿司。
お~o(⌒0⌒)o きれい。
『うちのハーブは自然児なので、食べても安心。
花びらよりガクの部分に味があるので、ガクごと摘みます。』
そうかー ガクにね・・・
写真にはナスタチウム・ルッコラ・ボリジの花が飾ってある。
『作り方は玉ねぎのみじん切り大さじ4、塩小さじ1弱、タラゴンビネガーと
エクストラバージンオリーブ油各大さじ2を合わせて、2合分の白飯に
混ぜて冷まします。このすし飯にケイパー、松の実、木の芽や青じその
みじん切りを各大さじ1~2混ぜ、ハーブの花を散らします。
ねぎの仲間のチャイブや甘みがあるローズマリーの花もいいですね。』
(・・。)ん? もう一度。
『ねぎの仲間のチャイブや甘みがあるローズマリーの花もいいですね』
もう一度。
『甘みがあるローズマリーの花』
そうなのーーー 食べられるのーーー(〃∇〃)
どうして今まで聞かなかったんだろう。
ハーブの花って、どれでも食べられるのかなぁ。
ルッコラは種を採りたいから、花も残しておきたいけれど、
ローズマリーは種には関係ないので、食べてしまっても・・・いいんだ。
そんなにハーブを食べたいわけではないけれど、
ローズマリーがどんな味なのかは、試してみたい。
ーーーローズマリーのお花って食べられるんだって。
と、言いながら、実家の庭の花を摘み取ってくる。
2輪づつを母と恐る恐る食べてみた。
ーーーふーん。甘いわ。
母 「・・・うん。 ? ・・・苦いわ・・・ (ノ゚ρ゚)ノ 」
ーーーそーお・・・
最初に甘くて、あとから、葉っぱのあの香りそのままにピリッとくる。
でも、苦くは感じなかったけれど。
母 「3月23日に女学校の卒業式でね、次の日24日がもう入社日だったわ。
遊びたかったのに、一日も日を空けずに・・・」
ーーー遊びたかったの?
「うん。映画を観に行きたかったのよ。」
そうだ昔から母は映画好きなのだった。
母 「迎えに来られてね。 よく家が分かったなぁって思うんだけど。
箸箱を持ってきて下さいって言われて。」
ーーー給食?食堂があったの?
「あったわ。でも、昭和18年でお米が無い時代だったから、こんな布の袋を渡されて
ここまで米を入れて持ってくるようにって。」
1合から2合くらいの量が入りそうな袋を、手であらわす。
ーーーお米は作ってたの?
母 「いいや、うちは作っていなかったから、買ってきて持って行ったのよ。
一人いつもお米を持ってこない○○さんって男の人がいて、
みんな ずるいって言ってたわ。」
その食堂で、冬になれば毎日ブリの焼き物が出たのだと言う。
ほんとに、毎日だったのだけど、母は好きだったのでかまわなかった。
「塩焼きしたものに、お醤油をかけていたかなぁ・・・」
ーーーお味噌汁は?
「あったわ。」
ーーーお漬物とかは?
「・・・・・あったと思うわ。」
ーーーそれじゃあ、随分良かったんじゃない。
ご飯にお味噌汁、魚にお漬物。ちゃんとした定食だわ。
「そうねー 物の無かった時にねぇ」
母 「私の結婚式の日に K島にいた姉さんがブリを送ってくれてね。
ほらあの大きなT橋の下の船着場に、H兄さんと取りに行ったわ。」
ほら!あのって言われても覚えていない・・・
ーーーあそこって鰤の産地なの?
「K島のあたりで獲れたんじゃない?」
60年以上も前の話を、年度や日付を折り混ぜながら懐かしそうに語った。
人の名前も覚えているし、
3人で入社して、インク壷にインクを補充する係りや朱肉入れの手入れの係りや
手分けして順番にやっていた話もよく覚えているなぁと思った。
インク壷なんて、時代がよく表れていている。
母の青春を明るく感じた。
昔のバイトのことを思い出しても、夏休みだったか、冬休みだったか、
誰と一緒に仕事に行ったのかも、私はなんだかあやふやになっている。(;^◇^;)ゝ
話の元は 「ブリの切り身」 の売り出し日だったこと。
今でも母がブリのお刺身が食べたいと、時々言っているのは、
子ども時代、若いときに口にした物だからなのだ。
母が苦いと言ったローズマリーの花。
うちのベランダのものはどうかと食べてみる。
・・・やっぱり甘い、そして後からピリッとする。 (⌒0⌒)
これは色が濃いベランダのローズマリー。