縛られる姉 3(終) | 白金家の座談会

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 優しく、上から撫でた。理子姉の口から息が漏れる。線を思い切り踏んだような気がした。線引きがいよいよ分からなくなり、自分でも混乱してしまうが、やめるわけにはいかなかった。理子姉が求めるようにこちらを見つめてくる。
「将君の触り方が、やらしぃ……んっ」
「ご、ごめん」
「謝る気はない癖にぃ」
 撫でるときにそっと押してみた。百合姉や愛理姉のそれとはやはり劣るが、もちっとした弾力が感じられるのは事実である。理子姉を支配しているような気分になり、押す強さを変えてみた。弱く押すと理子姉が物足りなさそうな顔をし、強く押すと理子姉が色っぽい声を発する。たまらなく好きになっていた。
「……なぁ、やっぱりこういうことはいけない気がするんだが」
「言わせたのは誰?」
「すいませんでした」
「いいんだよ。……ごめんね、こんな趣味で」
 急に理子姉がドアの方を向いた。ドアの少し開いた隙間から百合姉がこちらを覗いている。げ、理子姉の胸をすりすりしているところを全部見られた。
「百合姉に頼んで縛ってもらったんだ。将君が逆に強くしちゃうから、ちょっと興奮しちゃった」
「百合姉……ったく」
 百合姉の言葉が浮かんできた。なかなかやるようになった、と。確かに前に比べればこういうことは出来るようになった。キスすらできなかった頃が懐かしい。
 後ろで百合姉が見ているにもかかわらず、俺は理子姉に惚れこんでいた。胸を触っていた手を理子姉の腰の後ろに回し、抱きしめる。薄着の理子姉の体温が直に伝わる。
「将君、大好き……」
「俺も。理子姉、大好きだ……」
 百合姉が満足そうにため息を吐き、ドアを閉めた音が聞こえた。



 翌日の学校の昼休みの放送は理子姉のラジオが垂れ流しでかかっていた。著作権。
〈昨日は弟さんと何かされましたか?〉
「うぇ、あ……は、はい……」
〈なんか笑っているようですけど〉
「はい。昨日は弟くんが積極的で……もうずっとペースを奪われちゃいました」
 その言葉と共にクラス中の目が俺に刺さる。理子姉、頼むから勘弁してくれ。そう思う俺をよそに、向かいで座って弁当を食べていた美香姉が、裏箸で俺の頭を叩いた。