取り合う姉 2(終) | 白金家の座談会

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 次の日、俺は百合姉のカフェで一服していた。

 客が俺だけになった時、百合姉と希さんが出てくる。

「あれ、百合姉と希さん。中でいろいろしないんですか?」

「中でいろいろ……そんなもの、とっくにしてるわよ」

 百合姉が希さんをちょんとつついた時、希さんは何かに怯えたように震え上がった。

 また何かやったんですか。

「将のメイドさんになるなら、どんなお願いも聞けるようにならないとね?」

「どんなお願いって……何を教えたんだよ」

「希、やってみなさい」

 こく、こくとうなずいた希さんは、俺の方を向くともじもじしながら言う。

「ご、ご主人様……その……」

「なんですか?」

 希さんが俺の前に立ち、俺の肩を両手で軽くつかんだ。

 何をされるかと思っていると、希さんの唇が自分のに重なる。……えぇ!?

「むぐっ、もごもご」

「んーっ」

「希も上手じゃない」

 数秒くらいキスをした後、希さんは手を震わせながら抱き着いてきた。

 エプロン姿の希さんには愛理姉のような可愛さはないが、代わりに俺を優しく包み込んでくれる包容力みたいなものがある。あ、でも立場は下の方なのか。

「何か命令してみたら?」

「うーん……じゃあ、そばにいて」

「ふぇっ!?」

 口に出した後、俺はなんと恥ずかしいことを言ったのだと後悔してしまった。希さんは身体をびくんとした後、俺の向かいの席に座る。か、かわいい。

「将もそういうことを言えるようになったのね」

「ち、違う、これは……」

「希と楽しく過ごしてなさい? 家できちんと可愛がってあげるから」

 そう言って百合姉は店の奥の方へ行ってしまった。向かいでは希さんが縮こまっている。

空気が、空気がきまずい。何か話して場をつながなければ……

 いろいろ困っている様子の俺を見て、百合姉は何か微笑んでいた。