回想のすすめ | 豊池美術店のブログ

回想のすすめ

 

先日一枚の写真を持って高齢のご婦人が店を訪問してくださいました。

写真はお客様の御宅でその家族の皆様と一緒に写真におさまる父と私の姿です。

そこに若き日の父と父の膝に座る私の姿が有りました。たぶん小学校に上がる前だと想います。写真に全く記憶がありません。

目にした瞬間に、自分は愛されて育てられて来たと云う確信と、父は精一杯生きていたんだなと云う感覚を得ました。

五木寛之さんの「回想のすすめ」を読みました。その中で著者は「思い出を磨く」と云う表現しています。すでに他界している父や母とすごした楽しい日々が汲めども涸れない泉のように次から次へと浮かんで来て胸が熱くなります。それは至福の時間です。

その感覚にしばし心をゆだね味わっていますと、身体の底から希望が湧いてきます。

頂いた一枚の写真をラミネートして手帳に挟んでいつも持ち歩いています