伊達政宗のショートメール | 豊池美術店のブログ

伊達政宗のショートメール


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羽田空港のディスカバリー・ミュージアムで開催中の「茶席千利休展」に伊達政宗が細川三斎に宛てた書状が掛軸に成って展示されています。

「今夕の御茶 かたじけなく候 参上して御礼を申し上げるべき処 この書状で言上申し上げる」

伊達政宗が招かれた茶席から帰宅後に、その夜の内に細川三斎へ書き送った様子が窺えます。どのような御道具が使われたのかと想像するとワクワクします。先刻まで内容の濃い時間をすごした充実感が汲み取れます。
現代でデートの後、「今日は楽しかった。ありがとう。」と恋人にケータイでメールしているみたいです。

手紙は一筆啓上に始まり、季節の挨拶、自分の近況報告と続き、さて本題へと進み、最後に相手の壮健を気遣い今後の厚誼を願って締め括るのが日本の伝統とばかりを考えていましたが、想いを直ちに短く伝えるものも伝統として在りました。書状を受け取った細川三斎が大事に保存していたから、400年後の私たちも見ることが出来ます。

この書状は展覧会開催中の中でも、期間限定公開で5月30日まで展示されています。