★★支那そば屋わさらびさんの名作を好きな順に並べてみたランキング★★ | 静岡県東部で一番美味しいラーメン…

静岡県東部で一番美味しいラーメン…

静岡県東部の究極と名高いラーメン店限定のブログ。全店ハズレなし!!
ちなみに迷惑ながら勝手に惚れこんでいるのがめんりすとさん…、故にこのトップ記事。
料理人様は神様です。
最近、アクセス数欲しさにチェーン店のレビューを加えましたw

わさらびさんの珠玉の名作を、私が好きな順に並べてみました。

もちろんぜーんぶ美味い。

でも好みもある。

そんなランキング。


(ちなみに作品名の前の①~⑫の数字はその期間限定メニューを私が食べた「月」、◎の場合はその作品がレギュラーメニューであることを示しています)


人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?

支那そば屋 わさらび TEL 055-925-3869 静岡県沼津市花園町8-10 営業時間 11:00~14:30 17:00~21:00(L.O) 定休日 月曜(祝日の場合昼のみ営業、翌日休)、火曜
 
②牛骨煮干そば
スープにはわさらびさん独特の煮干しの味わい・・・、枯れ感に厚みがあり、肉感に満ちた弾力のある重厚かつ甘みや苦みも満たす味わいが素晴らしい。
そしてそんな煮干しの味わいに牛骨の味わいがまさにビンゴ!!
特に煮干しの旨味の立ち上がりのよい性格と、牛骨のじわっと遅れて立ちあがる旨味のタイムラグによって感じられる、隙なくボリューミーな風味展開、そして何よりそれぞれの風味がもつ一番魅力的な部分がしっかり主張されることに感動します。
煮干しの表面的味わいに牛骨が深みを与え、ラーメン出汁としてはいくらかキレの弱さを感じる牛骨の個性を煮干しが補います。
煮干しのもつ野性的な魚介の旨味が、牛骨の野性的な動物の旨味に重なることで、その野性味がふくよかなジューシーさに変わります。
後味では醤油の酸味とコクがそれら風味のエッジを丸めていくことで、淡麗ながらも抱擁な味わいとなり、雑味や癖のある食材由来の薄っぺらい風味がでてきません。
フィニッシュでは煮干しの塩気が軽く舌にエッジを立てるも、むしろそのことにリズムと躍動感を覚え、さらにはそれが麺の味わいや食感とスープの同調整を高めることにも繋がります。
細麺とスープの相性も完璧。
素晴らしい一杯。 

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
②牛骨塩そば
スープは口当たりから香ばしさを大ぶりに表現する胡椒の辛味がスパッと現れ、牛骨のゆったりした懐ある味わいが流れます。
牛らしい雄大な動物を思わす味わいが人肌にぐっと纏わる様なふくよかさをもち、そこに穀物を思わす甘味が重なると、これが牛骨の味わいをより肌馴染み良くしています。
後味にはじわっと乾いた苦味が感じられ、魚介節や胡香辛料椒などが持つ低域に染みいる味わいを覚えるように思います。
わさらびさんの作品の中でも最高の塩ラーメンでした。

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
◎梅しそそば
スープは鶏、豚、魚介の味わいが綺麗なのに、それぞれの風味境界が淡く、ぶつかりを出さないですね。
片意地張ったキレを残すことよりも、柔らかさを主張するスープです。
ここに梅とシソを加えるのですが、それでもまだまだ味の柔らかさがブレません。
酸味を走らせず、舌にだけじわり酸味を感じさせつつ、スープには果肉の旨味を重ねていくかのような印象。
シソは細かく刻まれていますが、シソ臭さはまるで感じさせず、スープの旨味がじわっと口どけするタイミングで初めて香草系の青い味わいをそこに添えると言う印象。
するとその直後に薄らいできたスープの旨味が一瞬ぶり返し、最後まで豊満に贅沢な素材感を映し出します。
梅とシソで淡さを演出できる実力って凄い!
麺は当然上品しなやかなあれ。
これ、名作中の名作です!

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
④とり煮干そば 
興味深いのは、スープが持つ煮干しの風味を低域ではなく中高域に感じさせること。
煮干しの厚みある肉な旨味を口内の中央で口当たりから後味まで終始感じさせてくれるのです。
フィニッシュでは塩気をジンっと感じさせますが、そこに甘味が絡むのがまた極上!
この甘味が鶏の油脂感から導かれたものに思えるのですが、この鶏の旨味を後味ですっと押し出す展開は未体験の極上ラーメン!
麺も完璧。つなぎに使用されている玉子の旨味が、最後にうわっと沸き立つように感じられ、これが美味い!

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
◎味玉そば 塩
スープは口当たりに鶏の味わいが十分。
後味に向けて豚の個性が高まり、そこに煮干しの味わいがじわっと染みます。
終始厚みのある風味で、限定メニューのように特定の素材を前に出してみた入り、キレに走りすぎないところは、巧さと自信でしょうね!
最後の最後でいくらか昆布を感じる様な感じない様なところがまた絶妙。
トッピングの味玉は、もちろん無難に美味い。
癖がなく、シンプルに良くできた半熟だからこの極上スープに余計な味が逃げません。
麺もすらっと品よく旨味を奏で、スープの質感にあう。
まちがいねえ、このラーメン、美味すぎるぜ!!

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
◎支那そば 塩
スープは、口当たりにすっと流れるような質感で鶏の油脂感を覚えます。
そして一瞬だけ遅れて重なるのが豚の味わい。
低域で昆布でしょうか、しっとりした旨味がコクをつくります。
後味ではいくらかの酸味がすっと舌先に添えられ、これが堪らなく美味。
余韻では柔らかくも穏やか、そして謙虚な塩気が広がり、終始上品に。
麺の相性はこの作品が最高峰。
ほっこり温かいこの細麺をゆっくり噛んでいってください・・・。
上質の旨味が浮き上がりますよ。

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
⑩豆乳そば
スープは豆乳という遊び心に終わらない旨味が存分に感じられるもの。
オイルはスープの甘味を柔らかにはらみ、ぎとつかずに角のない風合いを奏でます。
豚骨系スープにありがちな圧力で白くまったりした味わいを突き付けるものではなく、あくまでも穏やか。
豆乳の持つ舌触りのざらつきは殆ど感じさせず、ワインなどで言うところのオリにも思える豆乳の風合いも、不思議とその比重の軽さから故にざらつくことが無く、穏やかなスープの個性を妨げません。
スープの味わいには徹底して力みとキレの強さが抑えられ、味わうごとに体の内側からぽっと温まりを感じるような、まるで甘酒を楽しんでいるかのような心地に至るところは、わさらびマジック。
豆乳のザラツキを殆ど感じさせないスープですが、だからといって流れ過ぎないのも豆乳の個性。
舌を通過するスープに適度な引っかかりというか、転がりすぎずに旨味を残していく性格が、わさらびさんのスープが才能を存分に表現する機会を生み出します。
飲むたびに体への馴染みの深さを教えられます。
じわっと来るんです!!
これは巧いね!!

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
◎支那そば 醤油
椀が目の前に並んだ瞬間の香りの深みとふくよかさが見事。
口当たりの甘味もわずかながらもその質感が見事。
そこに醤油の味わいが広がり、さらに魚介系ダシの味わい。
当然ながら濁りはなく、すっと世界観が一本通った味わい・・・。
素晴らしすぎて、溜息が出ます。

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
②にぼしそば
いくらかねとっとした舌触りを思わす煮干しオイルは、煮干しの香気と風味が十二分。
口当たりでは煮干しの固さのあるコクや、中盤以降にはじわっと舌に染みいる様な煮干しの苦味を感じさせ、後味では醤油の酸味と醤油独特の旨味が持つ色合いをスープに重ねますます。
飲み進めるごとにオイルの個性が穏やかになり、鶏と醤油の旨味がどっと厚みを増すように感じられ美味。
支那そば醤油のさらっとした透明感ではなく、もっと肉厚でふくよかな包容力を覚える、温かみある一杯です。

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
◎特製わさらびそば 醤油
基本の支那そばに、トッピングとして味玉と豚角煮も追加されたキラーメニュー。
定番の素材感たっぷりの上品なスープに、今回は柔らかくって、すっごく美味い豚角煮がトッピング!
味玉も丁寧な味わいで、実にリッチ!
お店の看板メニューの実力、ハンパなし!!。

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
②牛骨みそオロチョン
牛骨の香りを感じさせながらの一口は、口当たりに辛口味噌の味わいをみせつつも、そこに牛骨の香りが重なるために辛口味噌のキレをそのままに牛骨のねっとした旨味を感じさせます。
どこか穀物めいたとろーっとした舌触りと甘みが感じられ、辛口味噌の辛味を尖らせません。
後味では良質のフォンド・ヴォーを思わせるような洋風のタッチが感じられ、これがすっとスープの色調に交わります。
辛さによる高揚感で一気に食べさせるラーメンではなく、ラーメンの麺と良質の牛骨スープを共鳴させるべく辛口味噌の風味を仲介に立てたという「美食主義」の立った作品です。

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
⑧冷やし鯵そばにぼにぼ69塩
珍しい冷しスープの一杯。
スープは口当たりに極めて少量のオイルが、煮干しの苦味をぐいっと感じさせつつ、その淡さからすっとスープのもつ綺麗な煮干しの味わいに展開します。
後味に向かえば向かう程、煮干しの表情は広がりを持ち、様々な性格を味あわせつつ、最後には煮干しの肉感ある旨味を残します。
中盤に煮干し由来の塩気が感じられるも、後味では殆ど塩ダレの個性は立たず、それ故に全体を通じて、味わいに気負いを感じさせず、素直に素材の良さが引き出されているように思えます。
トッピングでは天かすがインパクト大。
好みの分かれるアイテムとは思われますが、和の風合いを高めていることは確かです。

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
⑥昆布つけそば
つけ汁に淡麗塩スープの上品さや華奢でありつつもその清楚さが愛おしいというわさらびさんらしい性格がしっかり感じられますが、何よりがつーんと主張する塩気と、昆布出汁のインパクトを楽しむための作品でありましょうね。
昆布をしっかり内包しつつ、昆布の曇った味わいとならないのは、塩気によって旨味が締めつけられていればこそ。
昆布の質感もしっかり上等で、説得力も十二分。

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
⑧ニューサマーオレンジのサラダそば
つけ汁は口当たりからニューサマーオレンジの自然で柔らかな甘味を感じつつ、尖らない酸味が中盤広がります。
後味にはわりとしっかりした甘味と、柑橘系のコクを感じさせ、少しマーマレードを果汁に加えているのかなってな雰囲気の味わい。
柑橘系を軽く温めた時の独特の焼きミカンな味わいと厚みのある甘味が、ニューサマーオレンジ果汁の個性とは別に感じられるようにも思えます。
そして麺、このスープとの相性が凄まじい!!
麺の表面におけるかるい柔らかさと内に秘めたみしっとした弾力、そのしなやか生地感・・・、なによりこのストレート麺の流れるような線方向のコシが、ニューサマーオレンジ果汁の爽快感にぴったり!!
つけ汁の適度にさらっとした風合いが、麺の口当たりではその表面の柔軟さから小麦の味わいを感じさせつつ、直ぐにその麺の表面をニューサマーオレンジ果汁の酸味が、いくらかのオイルの粘性を利用してひたっと抱擁。
後味目でぐぐっと高揚しながらも終始尖らず旨味を中域残す味わい・・・。
これは素晴らしい!!
そしてつけ汁にはスープ割りならぬジュース割りも絶品!!

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
⑦鮎そば
炙られたアユの一夜干しが淡麗極めた美しいスープにトッピングされ、アユ独特の味わいと香ばしさをスープに絡めます。
穏やかさとキレを共に感じる上品な作品です。
アユの炙りの圧倒的な丁寧さも嬉しい限り。
見た目にも贅沢、味わいにも贅沢な一杯です。

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
③はまぐりそば
スープの口当たりからジャラッと二枚貝系らしい磯めいた荒削りの旨味が感じられます。
滑らかな淡麗スープに口当たりの引っかかりを感じさせながら、そこに旨味をそっと押しこみます。
はまぐりに重ねられた柚子の味わいが、柑橘系らしい甘味と酸味で色鮮やかな風味を添えます。
さらには三つ葉の個性もそこに加わります。
ハマグリのジャリッとした風味の質感、柚子の張りの強い風味、三つ葉の固い風味が反動となってスープに感じる海モン系のテイストや動物系のテイスト輝きが最高!

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
④桜鯛そば
スープは口当たりからしっかりと魚の味わいが感じられます。
マダイっぽい乾いた張りのある白身の旨味めいたものではなく、もっと厚みのある魚を思わす様ないくらかのこってり感のある魚介の味わいという印象。
食べ始めは、いくらかスープの塩気にアタックを覚えつつ、しかし以外にも食べ終える頃、さらには最後の一口においては味わいが丸くまとまり、その温かみある質感がすーっと体に溶けて行きます。
トッピングで面白いのは、桜漬け。
不思議とトッピングされた魚の白身にこの桜の味が染み込んでいて、季節の懐石料理を頂いている気分にも誘われます。

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
⑤豚しゃぶつけそば
つけ汁の味は口当たりから塩気とともに、すり潰した白ゴマっぽい味わいに満ち満ちています。
そこに味噌らしいコク、重厚にして味わい複雑、熟成感もしっかり感じられる味わいが浮かびます。
中盤には生姜、ネギと思われる辛めの香味野菜類の個性が感じられ、そこに厚みある辛味が胡麻の甘い油脂感を支えて太く強めの味わいを作ります。
後味に感じる塩気に、香味野菜の風味が捻りとコクを添えますね。
調味料の強さは感じますが、一方では終始胡麻の味わいが明瞭で、それゆえに尖りきらないので味わいやすく、さらにはトッピングされた豚肉が柔らかで丸い味わいをつけ汁に残します。
なるほど叉焼ではなく薄切りの茹で豚であればこその美味しさですね!
そして平打ち太麺は口当たりからつなぎに使われた玉子の風合いが優しくあふれ出ます。
優しく、滑らかな甘みが素晴らしすぎ!!
小麦を背負った玉子の味わいは、上品な洋菓子すら想像させるに値するもの。
風味に適度な重量感があり、口当たりから後味まで、その味わいがダレないのも凄い。
この個性が、冷たいつけ汁においてもしっかり締まりを持ちながら表現されるのです。
そんな素晴らしい麺をハイライトにする異端児的名作です。

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
⑤とりそば 
スープは口当たりから、オイルが持つ鶏の旨味と吸い込んだ塩気のぱつっとした味わいでインパクトを与え、次第にスープの鶏感が浮き上がります。
柔らかな鶏スープの旨味を転がすと、じわっと甘味が広がり始めます。
後味ではすっと立ち上がる香味野菜めいた酸味を覚え、この感じはわさらびさんでは初めて。
トッピングの個性が導くものなのかも。
鶏白湯の油脂感やこってり感を楽しませつつ、淡麗系の鶏スープらしい素材の素直さや鶏に真っ直ぐな性格を表現した作品という印象ですね。

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
⑤鯵そば(塩)にぼにぼ69 
この完成度は半端ないです。
特にスープの一口目の美味さったら他にはないはず!
口当たりから煮干しのどっくりした旨味が、肉感豊かに重いコクを残します。
酸味や甘味、苦味を含んだその味わいには、まるで質量を感じさせるかのようです。
煮干しめいた旨味から徐々に、鯵の個性が表れ始め、独特のローストされたような香ばしい味わいと油脂の甘みが、煮干し系の旨味をさらに太くし、そして風味を肉厚に仕立てます。
この魚介系の風味を感じさせるオイルの味わいを基軸に、どこか適度なロースト感を残すこの感触・・・、こりゃ美味いよ!!

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
①鴨ゆずそば
つけ汁は口当たりに醤油の貫禄ある味わい。
魚介系の味わいが、少し大人びたコクを見せます。
後味では柚子がくっと上に持ち上がりつつ、低域にしっかりした辛味を感じさせます。
トッピングは別皿の鴨と大根おろし。
鴨のデリケートでありながら、キメを密にしすぎずに旨味を素朴に残す独特の風合いが、このつけ汁だからこそ殺されません。
侮れないのが大根おろし。
大根のザラッとした渋辛さが、風味の展開において全体に満遍なく広がるのですが、これが意外にも他の風味をまるで殺すことがありません。そればかりか口当たりの醤油と魚介の個性、後味の柚子と辛味の個性の間に、すっと大根の個性が入り込むことで、その味の展開を起伏を持たせつつも滑らかに流れる様に感じさせるのです。
大満足でした!!

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
⑫えび味噌そば
スープは 口当たりに少しザラッとした味噌の味わいを覚え、でもこの味噌の圧力感はわさらびさんのオリジナルの味噌ラーメンより断然好み。 わさらびさんは、限定よりもレギュラーにこそ本当の凄さがあるといつも言っている私ですが、やられた・・・オリジナル味噌超えてると思う。
で、そんな味噌の味わいが海老の味わいに気付かぬうちに変化し、後味では辛味がパリッと効いてくる。
海老の個性は独特。
素材に素直に接することでリッチさを出す感じ。
伊勢海老のお刺身を思わす様な旨味ではなく、もう少し頭部に寄った海老のオイリーさが出た味わいで、これが味噌ダレの郷土食のある素朴な味わいにビンゴ。
海老の風合いが比較的素直なために、海老の癖もいくらか感じなくもないのですが、後味で感じる動物系の油脂感や旨味がほこっとそれらを包みこみ、むしろ味わいの厚みとして表現するのは見事。
満足っす!!

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
◎鶏白湯スープそば
スープは舌触りにとろみを感じさせ、直後にどすっと甘味を表現。
この甘味に少しとろみを感じさせ、これがスープのコクになる。
後味のタレの味も小気味良く、重厚にして締まりあり。
動物系の贅沢感、魚介系の贅沢感を主張する作品が多いこのお店の中では、野菜系の旨味をより感じられる個性派であります。

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
⑩さんまつけそば
オリジナルのさんまそばに比べると、スープの酸味がしっかり。
しかし酸味の角が丸く、尖ってくることはないので落ち着いて味わえるもの。
甘味も強め。その分だけサンマ感は穏やかに感じられます。
麺は細麺で正解。麺には酸味と共に甘みをのせた醤油感が絡みます。
サンマ感が少し弱いものの、それ故にサンマ特有の喉越しの重い味わいが気難しさを生み出すことはなく、むしろ食べやすいかも。
割りスープも美味。
これは必ず頼むべし。

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
⑩さんまそば
トップのオイルの淡くスープに絡む感じが堪りません。
そして口当たりからのサンマ感・・・。
これ、バランスがいい!!
まるでサンマの肉と、サンマの内臓を別々にスープにして、バランスを見ながらブレンドしたかと思う程にサンマの甘味とサンマの苦味のはもり方が巧い!!
サンマの油脂感はそれほど強くはなく、それでいて節っぽさのでた乾いた味わいにもならず、フレッシュなサンマを思わすようなウエットに富んだ味わいが、なるほど技巧美。
その風味の展開も単調なようでいながら、実は味わえば味わう程に理解が進みます。
サンマの甘味が醤油の甘味に重なりつつ、その輪郭を淡く感じさせるも、それでいて明瞭で重厚な旨味として存在します。
その旨味がサンマの内臓を感じさせるほろ苦い味わいを包み込むこの上品さ!
サンマっぽさ全開にしながら、余韻に魚臭さを残さないのも圧巻!
スープに含まれる酸味が、焼きサンマのポン酢、あるいは付け合わせの柑橘系の個性を思わすため、むしろサンマにあるべくしてある味わいにも思え、しっかりと足並みをそろえます。
酸味も含めてサンマの味わいと思わせるほどの説得力は見事!!

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
◎鶏白湯スープつけそば
鶏の味わい、鶏の油脂感、野菜類のとろみがかった旨味。
麺によく絡むつけ汁は、その味わいを麺と調和させ、互いの穀物感をシンクロさせます。

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
⑥昆布そば
麺が完璧。舌触りやしなやかさの上品さに加え、麺を噛んだ時に柔らかな反動を覚えさせつつ、麺が内側に含んでいる穀物の甘味が柔らかにすっと、それも滑らかに浮かび上がる感じが素晴らし過ぎ。
スープは例えるなら上質のとろろ昆布を思わす味わいのスープ。
それを口当たりに感じさせ、後味に塩気がじるっと染みです感じ。
ハイライトは後味の塩気直後に再び反動的にくぅっと前に押しあがる昆布の旨味・・・、この味は心つかむなーっ!!!
センスの良さを感じさせるのは余韻。
糸唐辛子の繊細な辛味が、昆布の味わいに絡み、これがどうしようもなく上品だ!  

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
④ニューサマーオレンジのつけそば
細麺超美味!
全粒粉のもつ苦味も絶妙で。、ここに酸味の爽快さに長けたニューサマーオレンジ酸味を重ねても、味がつぶれるどころか、むしろぎゅっと引き立ってくる印象。
つけ汁の動物系旨味がオレンジの味わいと共に独特の風味を作り上げます。
中盤にはオレンジの持つ味わいが、熱によってかマーマレード的な、ローストされた柑橘系のひねりあるコクを覚えさせます。
後味では少しジャミーな個性が感じられ、オレンジの旨味に重ねた甘味が前に出ることで、ベースとなるスープにうねりを与えます。
どこかエキゾチックな性格を持つつけ汁です。
気難しいテーマのつけ汁を圧倒的に美味い麺で抑え込んだ、つまりわさらびさんにしか作れない名作つけ麺ですね。

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
◎醤油つけそば
つけ汁の香味は十二分。
魚介系の出汁が甘く美しいコクを伴って広がります。
和テイスト溢れる優しい味わいにうっとりすること必死。
劇的においしい旨味密度高めの醤油ベースの雑煮の汁ってこんな味かな。
美味しい麺と共に、ご堪能あれ。

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◎塩つけそば
麺をつけ汁にビシャビシャ浸させることを拒むような、シャープですかっとした味わいであり、ちょっと醤油のつけ汁とは異なる印象。
素材の繊細さを楽しませる支那そば塩とは異なり、麺の味わいをきりっと立たせるタイプのつけ汁です。
割りスープは絶品!!

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⑪ごま味噌そば
スープの香りから既に胡麻の個性が感じられます。
一口味わえば、味噌の重厚な個性を胡麻の味わいが和らげているのが感じられます。
豚の個性でしょうか、動物系スープの重厚さが感じられ、そこに味噌の野太い味わいが絡みます。
辛味もウエットな質感故に、スープのふくよかさが損なわれません。
後味には再び胡麻の香気がどすっと浮かびインパクトは十分。
味噌と胡麻の相性の秀逸さを教えてくれる、豊満な一杯です。

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⑧梅しそつけそば
スープは口当たりに、梅の味わいしっかり。
そこに十分な塩気が重なり、注意するとベースのスープに見られる魚介出汁の風合いも感じられます。
中盤からは梅しその味わいが感じられ、どこか梅茶漬けのもと的なカジュアルな質感も覚えます。
梅に比べてしそ?の質感がジャラッとしており、その質感のままにコクを作るために後味の塩気をより締まって感じさせます。
後味の塩気に梅の味わいが染みる感じはこの作品のハイライト。
ベースとなるスープが上等であるために、余韻の細部まで品を覚えますね。

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⑤鯵そば(醤油)にぼにぼ69
スープの口当たりには塩バージョンよりもにぼにぼ感は少なく、鯵の個性が目立ちます。
甘みたっぷりで、どこかカジュアルな旨味がみられ、それがなるほど鯵らしくもあり、一方ではわさらびさんの深く味あわせようとする作風からはやや異端な風合い。
後味に向けては、いくらかの焦がし醤油、あるいは焦がし葱めいたやや暗いロースト感を覚えさせ、飲み進めるうちにここにトッピングの葱の個性が加わりザラッとした重めの質感も添えられていきます。

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
◎味噌つけそば
つけ汁はちょい辛め。
口当たりに鶏の油脂感を一瞬感じさせて柔らかさを印象付けた後に味噌の個性。
味噌は刺激的な風味をもつものでもなく、ブレンドの複雑さを思わすこともない、シンプルで上品なもの。
味噌により、つけ汁の舌触りはややざらつきがありますが、このざらつきが、辛味調味料の刺激に調和します。
辛味によってつけ汁の風味が荒れたという印象を与えずに、味噌の個性にすっと含まれていく様な辛味です。
舌に触れた瞬間こそインパクトを残すものの、無駄に切れ長にその個性を出さないあたりが、センスの良さ。
主役を辛味にすることなく、素直な味噌の味わいを終始楽しませます。
しっとりと大人の枯れ感を残す味わいに仕上げるあたりは、わさらびさんらしい魅力ですね。

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
◎味噌そば
スープは豚脂の適度な太さに、鶏脂が綺麗な輪郭を添えます。甘味、酸味が艶やかに感じられます。
そこに味噌の塩気に辛味がピリッと入りこみます。
麺は太麺。
汁そばながら、わさらびさんの麺の穀物感をじっくり噛みしめられます。

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


 
⑫鮪そば
スープの旨味濃度が強烈。
浮かぶオイルに、マグロのアラなどの魚らしい癖を感じさせる強い旨味のある部位を思わす個性を感じます。
スープからも感じるマグロの風味を。オイルが後ろから粗暴に煽りたてている印象。
どこかの料理店で頂いた、マグロの肉の入ったクリームシチューの様な料理が思い出された、和洋折衷の風合いを残すどろっと旨味濃厚ラーメンでした!

人生最後のラーメン。あの店であれを食べるか?


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