繍線菊や夜の新妻薄化粧

繍線菊に失恋記念の雨が降り

繍線菊や惚れたあの子は真っ直ぐで

繍線菊を愛でるも撮るも独りかな

繍線菊に慈愛の涙阿弥陀仏

繍線菊や恋に目覚める少女かな

繍線菊や飲み屋の愚痴は淡い垢

繍線菊の耳に紅さす恋の熱

繍線菊や澄んた瞳の幼少期

繍線菊は乙女が住める花の塔

繍線菊や日光街道宿場町

繍線菊や幼と言えど娘なり

繍線菊は苦労の果てに円く咲き

繍線菊にテロも戦も忘れ去り