父が今年の4月に喜寿を迎える。
自分の人生も曲がり角を過ぎると、父の生き方と自分の生き方を照らし合わせるようになる。
父は東京郊外の裕福な家に生まれ、成蹊高校から東工大に進んだ、頭も良く育ちもいいボンボンだった。
しかし、人生は堅実そのもので、ブランド品などに全く興味を示さない人であったし、今現在もそうである。
私立大学に進んだ3人の子供を育てマイホームも持ったが、ローンは一切組まず、堅実に家庭を守ってきた。
翻って自分はどうだろうか。
未だに独身であるし、結婚できたとしても金銭的に一杯一杯で子供は難しいかもしれない。
マイホームなんてとても手が出ない。
かつて父に「凄いね」と言ったら、「時代が良かっただけさ」と謙遜していたが、決してそれだけではないのを知っている。
もはや、父のなしてきたこととは、遠いところに来てしまったが、少しでも父に近づきたいという気持ちはある。
これから先、自分の力でどこまでできるかわからないが、良いお手本がこんなに身近にあるのだから、頑張っていきたい。
そろそろ兄妹で喜寿に贈るプレゼントを相談する事になるが、多分父は要らないと言うだろう。
そういう人なのだ。