その時は個性と言われても、どうやって解決していくのかが明確な事でなかったので、正直分からないままでした。。。

つづく、、、


そして、その答えが分かる事が起きました。

マルブフにマチューというスタイリストがいました。マチューはKenzoがマネージャーをする前のマルブフのマネージャーでした。昔は俗に言うイイ男だったみたいですし、才能にも溢れていたそうですが、僕が入った頃は、中年太りした、とにかくテキトーな男でした、、、アランドロンなんかも顧客で担当してましたから、確かに何かがあるんだろうとは思いましたが、しょっちゅう下らない事ばかり言って、からかわれてたので、僕からしたらどうでも良い人間でした。。。

ある時、マチューの知り合い?がマルブフの近くにアジアンテイストのカフェがオープンする事になり、そこで働く女の子達をたびたび連れて来て、僕らにモデルとして与えて来てました。。。。。
マチュー絡みというのは歓迎的でなかったですが、さすがオープニングスタッフだけあって、カワイイ娘が多かったですし、自由にカット出来ましたし、マチューはカット内容については何も言わなかったので、ラッキーだと思い、ほぼジェロームと僕で担当していました。。。この時はスタイリングなんかも色々勉強出来たので、今考えれば良い体験でした。

そして、そのカフェのオープンの日、、、
そこのスタッフが次から次へとやって来てスタイリングをする事になりました、、、
たぶん、マチューが調子の良い事を言って引き受けたんでしょう。。。
しかし、僕らはそんな事は知らされていませんでした、、、、、
当然、サロンは営業しているので、一時パニック状態になりました。最初はカットをさせてもらった娘達だけかと思いきや、メンズのスタッフまで、、、、一体何人だったのか覚えてませんが、ホントかなりの数でした。
営業でのアシスタントはしなければならないし、ぞくぞくとカフェスタッフは来るしで、当のマチューは何もしないしで、僕もさすがにイラっとしていました。言葉としては、ちゃんと伝えられなかったですが、態度、言葉に自分の怒りを自然と表していたと思います。。。
ホント、職場で、あれほど感情表現をした事は今まででも無いです。。。

その夜、パーティーがあり、マチューは僕らに出席したら?と声をかけて来ました、、、
フィリップとかみんなは行くという事でしたが、僕はどうにもマチューの傍若無人ぶりがゆるせなかったので、行かないと言いました。。。
そんな時、イオネルとステファンが「パーティー行かないなら、ご飯食べに行こう」と誘ってくれました。イオネルもステファンも仲は良かったですが、当時僕らがしょっちゅう飲みに行くメンバーではありませんでした。。。その時一緒にご飯に行き何を話したかは覚えてませんが、何より2人が誘ってくれた事がビックリでした。。。

そして翌日、、、サロンに行ってみると、明らかにみんなの態度が変わっていました、、、
僕が感情表現をした事によって、初めて個性=キャラクターが見え、僕という人間が分かるという事なんだと思います。
フランスでは、主張したモノ勝ちと良く言います。主張しなければ、意見が無いとみなされます。。。
日本のように相手の気持ちを汲み取るみたいな考え方は存在しません。。。
つまり、主張してはじめて存在できるワケです。

個性を出すという事、日本人である僕は難しく考えていました。。。でも、考え方を変えると意外と普通にすれば良いんです。。。

アシスタント仕事としてのブロー&スタイリングをしながら、プロというプライドと意識を持ち仕事をする、、、でも、それだけでは足りなかったんです。。。

どんなに意識を高く持っていたとしても、、、

なぜか???それは、、、


つづく、、、