今朝は父に6時半に起こされる。朝食を食べ、昨日呼んであったタクシーが約束どおり8時に来た。タクシーの運転手のおばちゃんが朝から元気で、よくしゃべる人だった。一本早い新山口行きの電車に乗れる。新型車両の227系の運用だったので、快適であった。

のぞみ14号に乗る。奮発してグリーン車にしたのだが、非常に快適だった。座席が良い。岡山で降りる際に名残惜しく感じるほどである。しかも、グリーン車の目の前に階段があり、乗り換えはとても楽である。前回岡山駅で乗り換えたときは、騒音振動関係の計量士試験の受験のときだったのが懐かしい。そのときはぴりぴりしていてとてもじゃないが生きた心地がしなかったが、今回はそれとは対照的に終始リラックスモードであった。

在来線の末期色電車で倉敷に向かい、タクシーで美観地区に向かった。すぐに観光センター倉敷館に行って川舟を予約しようとしたのだが、このアトラクションは人気で15時半以降しかあいておらず断念した。すぐに頭を切り替えてすぐ傍にいた人力車に声をかけた。12分5000円、20分7000円と言われ、7000円のコースにする。もっと高いコースもあるにはあったのだが、そこまで稼いでいないので7000円にする。高くてあまり利用者がいないのか、待ち時間0で乗れてよかった。車夫が女性で、小柄なのに我々二人組みを乗せて美観地区を
スイスイと移動する。車夫の方に、撮影した人力車の走行動画をYouTubeへUpしてよいか尋ねたところ、快諾をいただいた。

その後、蕎麦屋で食事をし、プリン屋で一個400円もするこだわりのプリンを食べ、大原美術館に入る。入場料が一人2000円と高額なため躊躇したが、折角きたのだからと怖いもの見たさで入館してみる。

結果から言うと、美術が全くわからない私にとって、歴史ある絵画は不協和音でしかなかった。正直言って何がいいのか全くわからない。予備知識が0なので、共感とか感動が皆無であった。あと、床と空気が良くなかった。しかも展示室で水を飲んだら学芸員の人が飛んで来て、「飲食は厳禁です」と釘を刺された。また、撮影は可能かと尋ねたら、「一切禁止」と言われた。異文化過ぎて、不快だった。私は電気計算でも読んでいるほうがお似合いだな・・とつくづく思った。美術館内はひたすら足取りが重かった。

すぐ大原美術館を出て、バスで倉敷駅に戻り、在来線で岡山駅に向かう。330円の紙の切符を1枚買い、私はスイカで乗車する。いざ岡山駅で改札を出ようとすると、父がこの紙の切符をなくすというハプニングがあった。落ち着いて数分間必死で探したら財布に刺さっていた。

岡山駅で親戚にあげるお土産を買い、新幹線の切符を買い、喫茶店で休憩をした。特に理由もなくのぞみ100号を選んだのだが、岡山新大阪間の所要時間が48分と微妙に長くて不思議に思っていた。ホームにあがり停車駅を見てこの理由が氷解した。こののぞみ100号は「姫路停車」なのだ。のぞみとはいえ相生と西明石しか通過しないので、停車駅だけ見ればこだまやひかり並みである。

新大阪駅に到着すると、大都会の喧騒と人の多さに圧倒される。普段田舎で混雑を見かけない世界で生きているので、混雑に身体がついていかない。大阪駅まで行き、そのまま紀州時快速に乗り換える。阪和線直通列車は混むので、もちろん大阪駅では座れなかった。東岸和田まで立っていることを覚悟していたら、目の前の座席に座っていた親子連れが福島駅(大阪駅の隣の駅)で立ち上がり降りていき、我々は「棚から棚からぼた餅」のように奇跡的に着席できた。動画も撮影できた。

ホテルは東岸和田駅に隣接しており、改札を出てから30秒くらいでホテルの入り口にたどり着ける。疲れた身体にはこの近さがとてもありがたかった。疲れていてもう外出が億劫だったので、夕食もホテルでとった。

今日は新幹線にも在来線にも遅れが全くなかった。全てがダイヤどおりでありがたかった。天気も悪くはなく、灼熱地獄でもなく、一日観光するのに最適だった。