1. 黒鍵のエチュードというショパンの曲がある。速く弾くように指示してあるし、速めに弾く曲である。しかしプロの演奏は、自分の技量を誇示するためか速過ぎな気がする。私のような素人には到底曲とは認識できないような速度でスラスラ弾き、あっという間に演奏が終わってしまう。

何事にも適切な速度があると思う。プロにはプロなりの事情があるのだろうが、「速く弾ければ弾けるほど程上手」みたいな文化はどうも好きになれない。私とは縁のない業界である。

 

2. 本日から計量士の授業を収録する。まずは一般計量士一基からである。久しぶりに対偶命題と元の命題の真偽は常に一致するなどと話した。今年は編集せず、5問ずつゆっくりと収録しようと思う。

命題と言えば、数学科に入学してすぐの頃の話を思い出す。講義の冒頭、教授に「1>2ならば2>4という命題は真か?」と突然言われ、当惑したことがある。即答できなかった。

もちろん真である。命題というのは仮定から結論が導かれればなんでもよいので、仮定の正しさを考える必要は無いのである。しかしこんな荒唐無稽な仮定は無意味である。