<ギャルソン! (Garçon!・仏・1983)>  ★★★

 

 

CATVで放映サレ、イヴ・モンタンが主演とあったので見てみました。Garçon は本来は“少年“の意味ですが、英語の”Boy”と同じように飲食店の給仕も意味しますが、給仕を呼ぶときには“Monsieur!”とか!Mademoiselle!”で, この原題は”給仕とは!”とその忙しさを強調しているのだと思います。モンタンは繁盛するレストランの給仕を演じていますが、当時60歳を超えていて、中年と言うより初老と言ってよい年代ですが、仕事には熱心ですが、仕事一図ではなく、女性関係にも忙しい、如何にも精力的なフランス人(モンタン本人はイタリア系ですが)でした。

 

>アレックスは、海辺のリゾート地に子供たちのための遊園地を造るという夢を持っていて、いくつかの事業に手を出して失敗し、それが原因で20年前に離婚され、今はパリのとあるレストランで給仕として働いています。仕事仲間のジルベールとは気が合い、家族とうまく行っていない彼のために自室の一部を貸しています。レストランの常連客に、今は独身の裕福なグロリアがいて、アレックスに色目を使っていますが、彼は避けています。ある日、彼は昔の恋人クレールと17年ぶりに偶然出会い、再び恋心が芽生え、彼女の働く英語塾に行ったりします。彼女は今の夫とうまくいっておらず離婚する予定ですが、本当に愛しているのは今アフリカに行っているリシャールだと知って失望します。そんな中、不動産業者のサンガリを通じて土地の買収も済み、遊園地の計画は進みますが、遊具の契約に即金で10万フランが必要となり、グロリアをうまく利用して無事きり抜けます。ジルベールの離婚と転職が決まり、クレールが別れを告げにやって来ます。やがて、夏がやってきた。念願の海辺の遊園地開きが行なわれ、大入り満員の盛況となり、突然の雨に慌てて入場者をテント下に誘導して、満足気に空を仰ぎます。

 

色々な女性が次から次へと登場するので、主人公との関連に戸惑ってしまいました。忙しい日々の仕事とかけもちでお元気なものだと感心しました(笑)。全体としてはコメディ・タッチの軽い作品で、植木等の歌ではありませんが、「ギャルソンとは 気楽な稼業ときあもんだ」と言いたいわけではなさそうですが、仕事にも色事にも手抜きをしない模範的(?)フランス男を描いただけで、少々期待外れでした。

 

ただ、かなり繁盛しているレストランで、メニューも同じ食材を使っても、田舎風だとか〇〇風だとか細かく分かれているようで、それを取り次ぐギャルソン達と料理長との慌ただしい会話が舞台裏をのぞくような面白さがありました。アレックスがグロリアから無償で借金しますが、その後、2人がどんな展開になるのかは描かれておらず、気になりました。