<インパクト・クラッシュ(Ghazi/The Ghazi Attack・印・2017)> ★★★★

 

 

珍しいインドの戦争映画、それも潜水艦映画で、第3次印パ戦争直前に実際にあったパキスタン海軍潜水艦沈没事件を題材にしていますが、ひところのソ連映画のようにインド海軍の勇気と愛国心を強調しています。さすがに潜水艦内部なので例の派手なダンス・シーンはありませんでした。原題のGhazi はその沈没したパキスタンの潜水艦の名前ですが、邦題の意味は?です。パキスタンとインドはカシミールの国境問題で2度に亘って戦争をしていましたが(印パ戦争)、東パキスタンで独立の機運が高まり内乱状態となり、インドが独立派を支援したことからパキスタンとの間が再び険悪となり第三次印パ戦争となります。結局、東パキスタンは独立を果たしてバングラデシュとなります。

 

この映画は第三次戦争開始直前、インドの軍港ヴィシャーカパトナムを偵察していたパキスタンの潜水艦がその沖合で沈没し、インドは自国潜水艦が攻撃されたため応戦して撃破したと発表しましたが、パキスタン側は事故による沈没としてこれを否定しています。この映画はインド映画なので当然、インド説に基づいていますが、この衝突が契機となって両国は第三次戦争へと進んで行きます。

 

>東パキスタンの独立戦争にインドが介入したことで両国の緊張が高まる中、パキスタン海軍は敵情偵察のため潜水艦Ghaziを出撃させます。その情報を得て、インドは潜水艦S21にGhazi監視を命じますが、同艦のシン艦長は勇猛で勇み足からGhazi に攻撃を仕掛けそうなので、監視役としてアルジュン少佐を同行させます。Ghazi艦長ラザクはインドの軍港ヴィシャーカパトナムへ接近しますが、インド海軍の注意をそらすため商船を撃沈する。S21は沈没地点で生存者の東パキスタンからの母娘を救助します。

司令部は戦争突入を回避するため待機命令を出し、アルジュンも命令順守を説き対立します。ライヴィジャイ副艦長はランヴィジャイの息子が第二次印パ戦争の際、司令部の待機命令を遵守したためパキスタン軍の奇襲を察知しながら攻撃できず戦死していたことを聞き、アルジュンは、シンの指揮に同意します。S21はGhaziを追跡しますが、Ghaziが仕掛けた機雷に触れて損傷し、ランヴィジャイが死亡し、ライヴィジャイは重傷を負います。急遽、指揮権を委ねられたアルジュンは乗組員たちを鼓舞してGhazi撃沈を決心します。機雷の爆発で浮上と潜航しかできなくなったS21はガーズィーからの魚雷攻撃を避けながら、Ghaziを魚雷の射程内に誘い込んで魚雷を発射して撃沈に成功します。満身創痍のS21は海面に浮上し、駆け付けたインド海軍の駆逐艦に救助されます。

 

インド映画特有の大勢で踊り歌うシーンは無いものの、後半でS21乗組員全員の戦意高揚の合唱シーンが挿入されています。大勢で大声で歌ったら、エンジンの音で相手の所在を偵察しているGhaziのソナーに感知されてしまうのではないかと思いました。シン艦長の息子への復讐の執念を知ったアルジュンが本来の責務を放棄してGhaziとの決戦に挑むのはたまたま成功したから良いようなものの、軍規違反どころか自らだけでなく数十名の艦員の命を損なうところでした。損傷して浮上と潜航しかできなくなったS21が、上下運行だけGhaziからの6発の魚雷をすべて回避出来たというのも少々眉唾ものでした。

 

インド・パキスタンがアメリカ、ロシアからの輸入とは言え、潜水艦を保有していたことは初めて閉まりましたが、水中や艦内の特殊撮影もなかなか良く出来ていて、ボリウッド映画の底力を知りました。