FACEBOOKに<ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション25周年記念・夏の企画展「浜口陽三と波多野華涯~匂い立つ黒と黒」>という長~いタイトルの広告が載っていました。ヤマサコレクションなんてヤマサ醤油みたいな名前だなと思いましたが、その他については一切知りませんでした。ただ、そのポスター写真に載っていた黒地に濃い赤色のサクランボの絵が時節がら妙に気になり、今日の午前中に行って来ました。この美術館は、日本橋蛎殻町の東京シティ・エアターミナルの前にあるあまり大きくないビルの1階と地下1階を占める美術館は彼と代々の創業家当主のコレクションを集めた美術館(ミュゼ)だそうです。

浜口陽三はヤマサ醤油の創業宗家の10代目の濱田儀兵衛の三男(”浜田”は芸名)ですが、家業を離れて美術の道に進み、パリで版画家として”メゾチント”又は”黒の技法”の別名でも呼ばれる銅版画の技法を確立したそうです。FACEBOOKで見た黒地にサクランボは彼の主要テーマだったらしく、数を変えて何点も展示されていました。ただ、”黒の技法”とあって下地はすべて真っ黒、描く対象も黒ずんでいて、照明が暗く、細かい点までよく見られなかったというのが正直な感想でした。同時に展示されている墨絵の大屏風は、濱口家とも関連の深かった波多野華涯(ハタノカガイ)と言う女流南画家の100年前の作品で、普段は一般公開されておらず、昨年のG7広島サミットの時、飾られた逸品だそうです。