<風とライオン(The Wind and the Lion・米・1975)> ★★★☆

 

 

 

20世紀初頭のモロッコを舞台に、米・独・仏がモロッコ支配を競うのに対して、原住民のベルベル人の族長が抵抗し、米人母子3人を誘拐して交渉にあたる、という作品で、ショーン・コネリー、キャンディス。バーゲンという当時の大スターが共演しているので期待してCATVで見ました。

 

>1904年、騎馬の一隊がモロッコの港湾都市タンジールに在住の米人宅を襲い、女主人イーデンと2人の子供を拉致します。一隊の首領は預言者ムハンマドの血を引くと自称するリーフ族の首長ライズリでした。当時、モロッコを巡って、フランスとドイツが競っており、改選を控えたアメリカのルーズヴェルト大統領は人気取りもあってこれに介入していました。ライズリは、欧米諸国が自治国であるモロッコへ介入することに憤り、甥であるモロッコの太守に外国勢力排撃の号令を出させようと目論んでおり、

誘拐はその一策でした。アメリカ大西洋艦隊がモロッコに派遣され、海兵隊がタンジールを占領し、イーデン母子の釈放と引き換えにライズリの免責を約束します。ライズリはイーデンを釈放しますが、彼は太守の裏切りによってドイツ軍に捕らわれてしまいます。裏切りに怒ったイーデンは、アメリカ海兵隊の協力を得て、ライズリ救出のた、ドイツ軍の駐屯地へ向かい、流血戦の末、ライズリを奪還しますう。ルーズヴェルトの決断に国民は賞賛して再選を果たします。大統領の元にライズリから手紙が届きます。夕陽の沈む砂漠で笑うライズリの姿がありました。

 

1975年制作の作品なので、現代よりも白人至上思想が農耕で、モロッコ人を蛮人のように描写していて不愉快に感じました。ショーン・コネリーの演じるライズリが何故、ドイツ人やフランス人ではなく、アメリカ人を人質にとったのか判りませんでした。しかし、ライズリ自身ついては獰猛ではあるけれど、人質に対しては至って紳士的で、イーデン母子が次第に惹かれてゆくように描かれていました。そのライズリが陰謀によって捕らえられると、イーデンは彼の奪還のために銃を持って先頭に立って戦うのは如何にもハリウッド的で白けてしまいまいた。大スターが共演し、スケールも大きいわりには、西部劇的で薄っぺらさも感じた作品でした。