<バーティカル・リミット(Vertical Limit・米・2000)> ★★★☆

 

 

 

ピーター・ギャレットは、父のロイスと妹のアニーとモニュメント・バレーでロッククライミングを楽しんでいましたが、先行するグループの転落事故に巻き込まれて宙づりになってしまいます。命綱が3人の重さに耐えれなくなったことを知った父はピーターに「妹を死なせるな」と諭され、下にいる父の命綱を切って2人は助かりますが。しかし、父を死に追いやったことからピーターは苦悩し、登山をやめて写真家になります。そんな兄をアニーは同情と同時に許せない気持ち持ち続けていました。アニーは父の遺志を継ぎクライミングを続け、雑誌の誌面を飾るトップ・クライマーの仲間入りになります。自然や動物の写真家としてカラコルムに来たピーターは、企業家で富豪のヴォーンから誘われてK2登山チームに加わったアニーと再会しますが、しっくりしない気まずい空気が漂います。

登頂の日、台風が近いというガイドのマークの警告を無視してヴォーンのチームは出発します。しかし、案の定、悪天候により一行は登頂をあきらめ下山しますが、途中で雪崩に巻き込まれ、生き延びたアニーとヴォーンとマークだけがクレバスに落ちて助かります。水も食料もなく、このままでは高山病による高地肺水腫で死を待つ以外にありません。無線を利用したSOS信号で事態を知ったベースキャンプにいたピーターは、ヴォーンの秘書の50万ドル出すという申し出に4人が加わります。又、5年前に遭難した妻の遺体を探し続けるウィックを含めて、氷壁を崩すためのニトログリセリンを背負って出発します。しかし、人間の精神と肉体がわずかの時間しか継続できないバーティカル・リミット(限界高度)に挑もうとする彼らに更なる悲劇をもって待ち構えています・・・・

 

ということで、これでもか、これでもか、とアクシデントの連続で救援隊にも犠牲者が出ます。クレバスの中でも、マークが瀕死状態になります。ハリウッド映画だから、ヒロインのアニーは死なせないだろうと思いましたが、案の定、様々なエピソードの末、疲労困憊のピーターと息も絶え絶えのアニーだけが生き残ります。そして、次のシーンでは山麓の病院で治療を受けているアニーをピーターが見舞い、長年の不和が解決してハッピーエンドで、そんな2人がどうやって救助されたのかは全く描かれていません。3人の生存した遭難者を救うために救助隊の3人が死ぬ、±0という結果も終わり良ければすべて良し、ということで納得出来ませんでした。

 

ただ、現地ロケも含めて登攀シーンはなかなか迫力があり、見応えがありました。ストーリー60点+バックシーン10点というところでした。