戦華 バトル・オブ・ムーラン (花木蘭・Mulan・中国・2009)> ★★★☆

 

 

 

中国で、千年を越えて記憶され続けている中国伝説の英雄的女性戦士・ムーラン(木蘭)を主人公にしたアクション映画ですが。然し、世界的に人気の高さから、2020年には、ディズニー・プロが<Moulan>としてリメイクしています。

 

映画の背景となるのは、中国の古代国家の一つ、北魏(ホクギ)と北の遊牧国家・柔然(ジュウゼン)との対立ですが、柔然は、5世紀から6世紀にかけてモンゴル高原を支配した遊牧国家。5世紀初めタリム盆地一帯を支配し、華北の北魏(ホクギ)と対立して戦闘を繰り返しますが、6世紀末に北魏によって滅ぼされます。

 

>ムーランは女性ながら武術に卓越していて、捕吏(保安官)になることを望んであしたが、女性は認められません。そんな折、柔然からの侵攻に対抗するため、北魏では国民の全家庭から無条件で成年男性に召集令を出し、老いて病弱のムーランの父にも命令が来ます。父の身を案じたムーランは男装して、若く勇猛なロン将軍が率いる部隊に入隊します。部隊に柔然軍に拉致された父の跡を継いだ若い女性郡主(知事)の奪還命令が下り、ムーランの活躍で奪還に成功しますが、そこでムーランが女性であることがバレてしまいます。本来なら斬首刑ですが、功績を認められて禁固刑に減刑されます。柔然軍の郡都攻撃が始まり、部隊は出撃しますが苦戦します。牢獄に残されていたムーランはそれを知って脱獄して出撃します。漸く柔然軍を撃退したものの、ロン将軍は負傷してムーランに救われます。ムーランは帰国して父や弟と再会して平穏な日々を過ごしていると、ロン将軍がやって来て感謝の念を伝えます。(二人の間の愛が暗示されています。)

 

70分という短尺で、エキストラも少なく、戦争場面もあまり大規模はなく、元来はTV映画ではないかと思いました。ムーラン演じた女優はなかなか魅力的ですが、それ故に男装してもすぐにバレてしまうのではないかと心配になりましたが、日本における卑弥呼のように伝説的女性なのでしょう。中国人の愛国心を鼓舞する国策映画のようでした。