<6時間(6 Horas・チリ・2015)> ★★☆

 

 

原子力発電所の事故を描いた、珍しいチリ映画ということで、Amazon Primeで見ました。

原発事故はチェルノブイリや福島で起きていて、大変な惨事を惹き起こしています。しかし、この映画の制作者はそれには全く無知・無関心をさらけ出したような内容でがっかりしました。登場人物も若い男女4人だけ、恐怖に陥りパニック状態になり、避難に殺到する群衆の姿は皆無、たまに数人の人影がちらほら、殆ど小さなアパートの一室だけという低予算の作品で90分を無駄にしてしまいました。

 

>ある日、郊外にある原子力発電所が事故を起こして爆発、6時間後にはメルトダウンして大爆発する、とTVで緊急放映されます。大学生のカミロの部屋に恋人のフェーニャが駆け付け、最後のセックス(?)をしますが、口論となって彼女は去って行きます。ベランダに出ると、隣室の男が拳銃自殺をするのを目撃します。部屋をシェアしているセザールが戻って来ますが一向に慌てり様子はなく、マリファナを楽しんでいると、隣室で物音がし、2人が駆け付けると、自殺した男の娘はビエラが強盗と勘違いしてセザールを撃って重傷を負わせます。カミロが近くのスーパーへ薬品を略奪に行っている間に、セザールはビエラを犯してしまいます。戻ったカミロが激怒してセザールを殴り倒します。爆発まで1時間を切り、カミロは駐車場から車を盗んではビエラを乗せて町を出ます。しかし、間に合わず、2人はビルの屋上に上がって(添付写真)、大爆発を目撃して火の海に飲み込まれて行きます。

 

メルとダウンが予知されているのに、町はとっくに空っぽで逃げ遅れてパニックになっている人影は皆無、主人公たちは避難することもなく、セックスを営んだり、マリファナをふかしたり、自殺男を撮影して、この動画はバズるだろうと呑気は事を言ったりしています。時々、6時間まであと何分何秒とデジタル時計の数字が挿入されますが、登場人物の緊迫感の無いさから全く盛り上がりませんでした。なまじっか6時間などと限定せず、ある日、日常生活を楽しんでいたら突然大爆発で一巻の終わりにすべきでした。