<あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。(日・2024)> ★★★☆

 

 

孫娘が友人と見に行く予定でチケットを購入してしまったら、その友人が急病で行かれなくなってしまったので、一緒に見に行こうと言われました。その映画の事は全く知らず、タイトルを聞いたら、一度や二度ではとても覚えられない長ったらしかったですが、太平洋戦争中の特攻隊戦士が登場するというので行く気になって見て来ました。現代の女子高生が戦時中の日本にタイムスリップして。特攻隊員の青年と恋に落ちるという内容でした。

タイムスリップを描いた作品はよくありますが、起きてしまった史実を変えることは出来ず、結局、元の鞘に収まるのが常道で、この作品もそこから抜け出すことは出来ませんでした。

 

>シングル・マザーの母親にもクラスメイトにも反発した女子高校生の百合は、母親と口論の挙句に家を飛び出し、近くの戦時中の防空壕跡に入り込んで寝込みます。翌朝、目覚めると眩暈がして倒れて彰と名乗る青年に助けられ、町中の「鶴屋食堂」に連れて行かれて介抱を受けます。置かれていた新聞を見ると、1945年6月でした。その食堂には近くの日本陸軍航空隊の基地があり、彰を含む隊員たちはよく出入りしていました。食堂は、女将のツルと勤労学生の千代が切り盛りしていて、百合は歓迎されてそこで働き始めます。彰の誠実さに百合は惹かれてゆきます。しかし、彼やその戦友たちは特攻隊員で、命令次第で出撃して亡くなって行く身なので、彰も百合を愛してはいますが踏みこめません。隊員の一人は身障者の妹を一人残して死ねないと脱走します。遂に、彰たちに出撃命令が下されます・・・・・・・

 

若い出演俳優たちは全く知りませんでしが、食堂の女将がいい味を出しているなと思ったら松坂慶子が演じていました。

 

タイムスリップものはたいてい結末が判ってしまいますが、この作品も例外ではなく、案の定、現実にもどって母娘仲直りでした。途中で、米軍機による空襲に巻き込まれますが、外出中に巻き込まれて火の海の中にいる百合を彰がどうして居所が判ったのか救助に来るなんて都合の良いところもありました。

 

特攻隊員たちが国のために喜んで死ぬ、という気持ちは今の若い世代には理解が難しいでしょうが、国中が洗脳(?)されていた当時も、今のロシアや北朝鮮の若者たちもそんな気持ちでいるのだと思います。