<愛欲のプロヴァンス(Provenance・英・2017)> ★★★

 

 

「南仏プロヴァンスの美しい自然を背景に・・・」という紹介文に惹かれ、原題のProvenanceをProvanceと勘違いしてCATVで見ました。しかり、原題のprovenanceの語源はフランス語のprovenirから来ており、物や情報の起源や由来を表す言葉だそうで、この映画は府と出会った男女が過去に想定外の由来を秘めていたという映画でした。しかし、プロヴァンスの美しい風景は随所に挿入され、物語はともかく、そちらは印象的でした。

 

>ピアニストのジョンはバイオリニストの妻との冷え切った関係を清算しようと、南仏のプロヴァンスに移り住みます。ここは、20年前、小さな音楽祭があり、彼は若いバイオリニストの伴奏を務めたことから、ひと時の恋に落ちた思い出の場所でした。ある日、村のカフェで歴史学者だというピーターと名乗る青年と知り合います。ジョンは、若い恋人のソフィアを呼び寄せ、(邦題の“愛欲のプロバンス”通りの)享楽的な日々を過ごします。ジョンとソフィアは互いに自分たちの過去を話し合いますが、ソフィアが何か隠しているように感じたジョンは苛立って口論となります。そこへピーターが現れ、ソフィアは元彼の出現に驚き、ジョンは彼をストーカーだとなじります。するとピーターは2人に1枚の写真を見せます。それは、ジョンの若い頃に恋に落ちたバイオリニストの写真で1962年の日付が入っていました。そしてその翌年にソフィアが生まれていました。ジョンは自分が母・娘と通じ合っていたことを知り愕然として膝を落とし、ソフィアは泣き叫びジョンを平手打ちします。ソフィアは、去って行こうとするピーターと庭の椅子に背を向けて悄然として座るジョンを見比べます。

 

親とその子供と双方と通じ合うことを俗に”親子丼”と言いますが、それが美しいプロバンスの中で展開しますが、途中あまりにも冗長なので気を抜いて見ていたせいで伏線を見落としているのかも知れませんが、ピーターが何故ソフィアの居所を知ったのか、何故、ソフィアの母の写真を持っていて2人の関係を知っていたのか、ジョンがどうやってソフィアと知り合ったのか判然としませんでした。また、ラストでソフィアがどちらの男になびくの科も観客の想像に任せた感じでした。セックス・シーンもあえてR-15指定を記すほどのものではありませんでした。