<身代わり忠臣蔵 (日・2024)> ★★★★

 

 

この映画のことは新聞でチラッと見てはいましたが、見たいとは思っていませんでした。しかし、孫娘が見たいけれど、19時30分からの回しか行ける時間がなく、帰りが遅くなるので危険だから一緒に行ってくれ、ということになり、結局、入場料もポップコーン・セット代も持たされて見に行く羽目になりました(笑)日本の映画界に弱い私なので、ムロツヨシが吉良兄弟に、永山瑛太が大石内蔵助に、他に川口春奈、林遣都、北村一輝、柄本明らが出ていると知りましたが、私が知っていたのは柄本明だけでした💦 

 

>江戸城内で、勅使接待を命じられた赤穂藩主・浅野内匠頭ですが、流儀指南の吉良上野介に賄賂を渡さなかったためシカトされ、堪忍の緒が切れて吉良を切りつけてしまいます。(ここまではお馴染みの筋です)禁を破った浅野は当然切腹、 藩取り潰しとなります。斬られた上野介は逃げようとして額と背中を切られ、重傷を負い、やがて死んでしまいます。逃げて切られた上、死んだとなれば武士の恥で、お家取り潰しの危機となってしまうので、吉良家の家臣・斎藤宮内は彼にそっくりで出家している弟の孝証を身代わりにして、幕府をだまそうと作戦を立てます・・・・・

 

吉良上野介に実は身代わりがいて、当人は赤穂浪士の討ち入り前に病死しており、弟が身代わりとなっていたというのは面白いアイデアで、ムロツヨシの性格の全く異なる兄弟の一人二役もなかなか達者でした。赤穂浪士の討ち入りは、現在では殆どが歌舞伎の<仮名手本忠臣蔵>を通して知られており、それ自体が時の幕府を慮っての創作だし、吉良が殺害された時は62歳、大石は43歳でしたから、ムロにしても永山にしても少し若過ぎる感じでしたが、創作劇ですから気にすることはないでしょう。見ていて面白ければ良し、とする作品でした。かつて時代劇で鳴らした東映の作品だけに、セットや衣装はまっとうでした。

 

ただ、ラスト近くで討ち取った(?)吉良の首級を吉良の家臣に奪還されまいと義士たちがラグビー・ボールのように投げ合うのは、憎い仇の首とは言え仏になったのですから、礼節を貴ぶ武士としてはあるまじき行為で、少しおふざけが過ぎたと思いました。