<グッドモーニング、ベトナム (Good Morning, Vietnam・米・1987)> ★★★★☆

 

 

ベトナム戦争中の米軍司令部が舞台ですが、戦闘シーンは皆無であからさまな戦意向上や反戦はうたっていませんが、軍部内の硬直した体質や情報操作、米兵のベトナム人軽視などがユーモアというオブラートに包みながら、ラストで痛烈にベトナム戦争を批判しています。主演のロビン・ウィリアムズがゴールデングローブ賞主演男優賞を獲得したそうですが、それだけのことはあると納得しました。復帰したクロンナウは最前線の実情を知るため、

 

>1965年、アメリカは共産主義阻止の壁として南ベトナムへ軍隊を送り込みます。米兵を対象としたラジオ放送も行っていますが、堅苦しいニュースや音楽のため、兵士の人気はいまいちでした。そこで軍サイゴン放送局を司るテイラー准将は、ヨーロッパ駐在の米兵向け放送で人気のあるDJ・エイドリアン・クロンナウア上等兵を呼び寄せます。彼は、着任早々、「グッモーニン・ベトナ~ム!!」の挨拶と共に、軍指定の推薦曲を無視してギャグやジョーク、物真似を連発するマシンガントークとロクンロールで放送を始め、たちまち兵士の人気者となります。しかし、上官で堅物のホーク少尉と軍規を重視するディッカーソン曹長は、それを苦々しく思っています。その間にも、彼はアオザイ姿の美少女に目をつけて追い回しますが、彼女の兄ツアンに止められ、彼と親しくなります。ある日、クロンナウは彼を伴ってGI専門の酒場へ行き、彼に促されて店を出た途端に酒場で爆発があり、危うく難を免れます。局に戻ったクロンナウアはこの事件を放送しようとすると放送を差し止められますが、彼は非公式情報として放送してしまい、ホーク少尉の報告を受けたテイラー准将も彼をかばいきれず停職処分としますが、兵士からの復帰要請が殺到します。クロンナウアはツアンに伴われて彼の故郷の村を訪ねますが、そこで、彼はツアンがベトコン(南ベトナム解放民族戦線)の一員であり、酒場の爆発から彼を救ったのも爆破をあらかじめ知っていて彼を救ったことを知ってしまいますが胸に収めます。ディッカーソンは横紙破りを繰り返すクロンナウアを戦死させるつもりで最前線視察を命令しますが、危機一髪で生還したので、彼に名誉除隊を言い渡します。クロンナウアはディッカーソンに捨てぜりふを残して局を去って行きます。怒って追いかけようとしたディッカーソンをテイラー准将が制止して彼の行為を責めてグアム異動を申し渡します。ベトナムを去る前に、彼はツアンに会い、親友と思って信じていたのに敵だったとは」と言うと、ツアンは「米軍の無差別攻撃で自分の母や友人が死んだ。アメリカは自分の利益のためにベトナムで戦っているんだ」と反論して姿を消します。クロンナウは悄然としてベトナムを去って行きます。

 

放送するニュースも検閲で沢山の黒塗り、トークの間に流す音楽にも規制があるという米軍兵士向け放送を皮肉っていますが、眼前の敵も聞いているかも知れないので或る程度は仕方ないかなと思いました。

しかし、ツアンに言わせる最後のセリフは強烈でした。これを言いたいために作られたような映画でした。