<インデムニティ 陰謀の国家・Indemnity・南ア・ 2021)> ★★★

 

 

珍しい南アフリカの映画ということで、サスペンスらしいなと思いましたが内容も知らずにCATVで見ました。原題の“Indemnity”とは、法律用語で損失・障害などに対する保障、補償金、損害補償義務の免責などを言いますが、見終わって主人公の無罪釈放がIndemnityなのかどうか判りませんでした。又、邦題にあるような”国家の陰謀“ではなく、悪徳政治家と巨大企業が組んだ陰謀でした。

 

>ベテラン消防士のテオ・エイブラムスは、消火作業中に2人の部下を亡くし、重度の心的外傷後ストレス障害 (PTSD)に苦しみ、タンブリッジ精神科医の治療を受けながら休暇中です。妻のアンジーはジャーナリストですが、最近、或るスクープを掴んだところ何者かに狙われるようになりました。或る朝、テオが目覚めると隣にいた妻が殺害されていました。茫然としているところへ警察が踏み込んで来て、彼を逮捕します。しかし、その護送車が何者かに狙われて転覆、テオは脱走しますが、警察からも殺し屋からも執拗に追われます。それでも彼は妻のために真相把握に単身立ち上がり、妻が生前話したMテック社という巨大軍事企業が絡んでいると推測します。その間に、彼の所属していた消防署に暴漢が押し入り、10人の同僚が殺害され、テオは殺人犯として全国手配されますが彼は諦めません・・・・

 

ということで、ハリウッドや香港映画のような時空を越えたアクションが展開されます。

最終的には、次期大統領を狙う反米・反中政治家がMテック社と結託した陰謀をアンジーが察知したため、彼女を処理するのに直接手を下さず、タンブリッジ医師にテオに記憶喪失処置(添付写真)と催眠術を施して彼に妻を殺させたうえ、真相を探ろうとしたテオの命を狙ったことが判りますが、無名のジャーナリストの特ダネを抹殺するのに、なにもそんなややこしい事をしなくてもいいだろうと思ってしまいました。足を撃たれてびっこを引いて歩いていたテオが、次のシーンでは駆け出すのも不思議でしたが、そのようなご都合主義が随所に目につきました。

 

Mテック社はテオの動きを封じるため、彼の最愛の息子を誘拐しますが、それを知ったテオは警備の超厳しいはずの同社に易々と忍び込み、何故か爆発炎上する同社の数ある部屋の中から愛児を救出しますが負傷して逮捕されます。この事件でMテック社の陰謀が暴露され、結託した政治家と共に追及されますが、政府はこの事件に巻き込まれた当事者には“Indemnity”すると発表し、彼の無罪釈放も暗示されます。火炎の中から愛児の救出に成功したテオは、かつて2人の部下を死なせてしまったトラウマから解放されます。