幻界エロス教典 竹取物語>

 

 

Amazon Primeで何か見ようと思っていたら、表記の作品が目に留まりました。かぐや姫の登場する「竹取物語」は平安時代に書かれたわが国で最初のSF小説ですが、「幻界エロス教典」という副題をつけるからには、どんな改変をしているのか興味を持って見始めました。

 

「竹取物語」は『昔々、おじいさんは光り輝く竹の中に座っている少女を見つけ、連れて帰って「カグヤ」と名付けます。僅か三カれ、中には命を落とす者もいていずれも失敗します。カグヤはおじいさん。おばあさんに自分が月の世界の皇女で、次の満月の夜に月に戻らなくてはならないと告白します。満月の夜、同じようにカグヤを望んでいて引き留めようと帝の差し向けた兵士たちも金縛りにあって、姫は月へ帰っていきます.』という粗筋です。

 

この映画では経費節約のためか、難問を課せられるのは最初の3人に絞られ、しかも、既に出会っていて互いに愛し合っていたマロタリは竜の首にある金色の玉の獲得に成功したにも関わらず、振られてしまうことになっています。それはそれでよいとして、どれだけ”エロス“なのかと思いましたが、竹の中から全裸の少女が現れ、成長しておじいさんはムラムラとしてカグヤを抱き寄せますが良心が咎めて引き下がり、恋仲となったマロタリとはキスをするだけ。覗きをしている村の若者にカグヤの侍女が「私で良ければ」と横になる・・・・・それだけでSEXシーンは皆無で、何が”幻界エロス教典”だと苦笑してしまいました。

 

おじいさん・おばあさんは、竹からカグヤだけでなく、黄金も出て来て金持ちになって豪邸を立てますが、それが学芸会のセットのように安っぽく、当然、CGも多用されますが拙劣で興醒めでした。月への旅立ちを阻止しようとする帝の兵士も同じ形の影絵をならべただけのチャチさでした。更に、カグヤを演じる木下柚花という女優が、ナイスバディではありますが、月世界の姫君らしい高貴さ、神秘さが欠けているのが根本的に残念でした。

かなりの低予算で作ったのでしょうが、もう少し見せ場があればと思いました。88分という尺がやけに長く感じました。以上、あえて点数をつけなかったのは、期待したようなシーンがなかったための腹いせではありません(笑)