<未亡人、回る春 (L'étreinte ・仏・2020)>

 

 

原題は”抱擁“の意味ですが、邦題はあながち見当外れでもありませんが、いかにもポルノっぽくして観客を引き込もうとする魂胆がありありです。まだまだ女盛りの中年の未亡人が孤独感を抑えるため、大学のドイツ文学科に通い始め、そこで若い学生たちにチヤホヤされて青春=性欲を取り戻しますが、それだけでは収まらず、出会い系サイトに手を染めるが結局・・・・と言う内容で、エマニュエル・ベアールがその未亡人を演じています。物好きにも、彼女がこの役を演じた時は何歳だったかググってみたら57才でしたが、さすがにその年齢にしては大写しされない限りは(笑)若く見えました。

 

>ドイツのケルンに住むマルゴは長年連れ添った夫に先立たれ、半年後、孤独感を癒すために妹の住むフランスのヴェルサイユにやって来て、更に大学のドイツ文学科に通い始めます。教師も学生も、そんな彼女に好奇心を示し、集会やパーティに彼女を誘い出します。

そんな環境に彼女も若い男たちに囲まれて閉ざされていた心を開きます。彼女が最初に好意を寄せた学生は同性愛者で彼女に関心を示しません。次の男は、初デートからその気になってコンドームまで買って行きますが、男の方は不発に終わってしまいます。酒場で出会った男ばかりのグループに誘い込まれますが、彼女は郊外の怪しい屋敷に連れ込まれ、不安を感じて窓から逃げ出します。それでも、性欲を抑えきれないマルゴは出会い系サイトに変名で手を出しますが、最初の相手は食事だけで終わってしまいますが、次の相手はタフで彼女は久しぶりにエクスタシーに達します。すっかり彼にのめり込んだマルゴは彼の自宅を訪れますが、なんとそこには彼の妻と4人の幼い子供がいて慌てて逃げ帰ります。ヴェルサイユでの生活に失望したマルゴはケルンへ帰って行きます。

 

と言うような粗筋で、それなりにベッド・シーンはありますが、余り露骨ではありません。

しかし、とにかく、夫を失った孤独感は殆ど描かれず、彼女の男漁りばかリが表面に出て共感出来ませんでした。次々に”獲物“が登場するので、最後の妻子持ちノアントニー以外はいちいちその名前まで覚えきれませんでした。