<雨に唄えば(Singin’ In The Rain・米・1952)> ★★★★☆
17日は朝8時前からのゴルフで早起きし、帰宅して新聞を見たら、NHK-BS2で9時から往年のハリウッド映画<雨に唄えば>が放映されるというので、早寝も忘れて見てしまいました。1952年の作品で、その後も2度ほど見ていますが、今回はデジタル画像になって50年以上前の作品とは思えない驚くほどきれな画面でした。ジーン・ケリーは学生時代から大ファンで彼の作品は幾つも見ていますがこの作品はストーリーとしては極く常道的で新鮮味はありませんが、<踊る大紐育>、<巴里のアメリカ人>に続く主演作品で、個人的にはやはりこの作品は彼の代表作ばかりではなく、ミュージカル映画の最高傑作の一つであり、あの雨の中のダンス・シーンは映画史上に残る名シーンと信じています。今日も充分に堪能しました。ドナルド・オコナーの芸達者ぶりはさすがですが、デビー・レイノルズの初々しさも印象的でした。監督はジーン・ケリー自身と<踊る大紐育>の他、<略奪された七人の花嫁>、<我が心に君深く>、<シャレード>など数々のミュジカル名作を作り、私も好きだったスタンリー・ドーネンとの共同作品です。このストーリーは宝塚でも舞台上演されたような記憶があります。
> ドン・ロックウッド(ジーン・ケリー)とコスモ・ブラウン(ドナルド・オコナー)の2人は仲の良い友達で、地方のヴォードヴィルで活躍していましたが、ハリウッドにやって来て、インペリアル撮影所でドンは西部劇のスタント・マンから俳優として抜擢され、運よくサイレント映画のスターになります。コスモは彼のマネージャー兼音楽担当として常に行動を共にします。ドンと騎士物シリーズで共演するリナ(ジーン・ヘイゲン)はスターぶって横柄で、ドンは内心では反感を持っていますが、彼女は芸能新聞にドンは彼女の恋人だとガセネタを書かせます。その頃、ドンはふとしたことでケーシー(デビー・レイノルズ)と知り合い、ひと目惚れしてしまいます。デートの帰り、ケーシーは彼女を自宅まで送り届けますが、突然の大雨となります。しかし、幸福感に溢れたドンはずぶ濡れになりながら「雨に唄えば」を唄い踊ります。
> そんなドンにリナは嫉妬して、ナイトクラブで歌や踊りで働いていたケーシーをクビにさせてしまい、ケーシーは姿を消してしまいます。そのころ他社で初のトーキー映画<ジャズ・シンガー>が発表されて大ヒットします。インペリアル撮影所も早速、ドンとリナの新しい主演映画<決闘の騎士>をトーキーで作りますが、リナの悪声と下手なセリフ回しは試写会で嘲笑を買い、公開中止の羽目に立たされます。その頃、ケーシーはやはり同じ撮影所で製作中の他のミュージカル映画に端役で出演していましたが、ドンと再会します。彼女の資質を見抜いたコスモはリナの声をケーシーの声に吹き替えることを提案します。映画は<踊る騎士>と改題されて公開、大好評を博します。リナは無声映画時代の人気を維持しようと、撮影所にケーシーを自分の声の吹替え担当としてこれからも使うように所長にねじ込みます。彼女のわがままに手を焼いていた所長はドンはコスモと示し合わせ、試写会の挨拶で、舞台ではリナに口パクで歌わせ、カーテンの裏でケーシーに歌わせておいていきなりカーテンを上げて吹替えだったことを暴露します。ケーシーは一躍新しいスターとして迎えられ、リナの人気は失墜します。ドンとケーシーは目出たく結ばれて熱いキスを交わします。
私はジーン・ケリーの大ファンですが、同時代に活躍してやはりミュージカル映画の大スターだったフレッド・アステアはどうも好きになれませんでした。多分、ジーンのルックスやステップの方が男っぽさを感じさせるからだと思います。デビー・レイノルズも小柄でキュートで私好みの女優で、<艦隊は踊る>、<奥様は芳紀十七歳>、<ママは二挺拳銃>など軽い作品を見た覚えがあります。
ともかく、ハリウッド・ミュージカルの見本のような作品で今更つけ加えることもありませんが、ハリウッドがサイレントからトーキーへの転換期の混乱の様子が垣間見られることも面白味の一つです。
