追憶 | フツーのタロット占い師のへなちょこ部屋

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まったりと、どーでもいいことからちょっと真剣な話まで。

タロットのことや日常織り交ぜたへなちょこブログです。

なんか支離滅裂った記事になりそうなので、イヤな予感

を感じたそこのアナタは華麗にスルー!!!←



















おや。

・・・・泣いているのかい。


おいで。

抱きしめて、眠くなるまでおはなしをしてあげるから。

さあ。おいで。



ああ・・・・なにを話そうか?

・・・・そうだね、あのひとのおはなしをしよう。

すきとおって、でもあたたかな光を持っていた。

あのひとのおはなしをしよう。


Kさんに会ったのは、13歳くらいだったかな。

はじめて、会った同性愛者だったね。

その頃は、まだ潔癖な部分もあってさ。自分自身も性被害を受けて

たようなときでもあったから、Kさんに対して決して褒められた態度で

はなかったね。


それでも。

コドモ、というよりは、ガキだったわたしの、心なく口汚いコトバにも。

いつも優しく、哀しく微笑んでくれたね。


『オレはね、正直でいることで、人を2人、不幸にしてるんだよ。

 両親にカムアウトしてさ、オレは男の人しか好きになれない、って。

 あの時の、両親の表情は、一生忘れられない。

 縁切られたから、って怨んでるとかじゃなくて、ただ。

 オレも、苦しんで告白して傷つけて。

 両親も、驚いて苦しんで傷ついて。

 ・・・・今は、誰も悪いワケじゃない、って思うけど。

 それでもオレは、あのひとたちを不幸にしてしまった、って思ってる』


・・・・アオくて。

狭い世界しか持ってなくて、フツーに悪意で『ヘンタイ・変質者・異常者』

とかさ、そんな悪意向けたわたしに、本気で言葉をくれた。


男同志でも、女同志でも、男女でもなんでも。

ひと と ひと で。

ケンカもする、あわないところもある。

でも、一緒にいて嬉しいこと楽しいこと幸せなこと。

それもいっぱいあって。

かわらない。なにも。

偏見の目で見られようが、ひとを好きになるって悪いことでは絶対に

なくて。

だから、自分になにひとつ恥じることはない。


オレが男の人を好きでいることで、しおるちゃんを傷つけたなら

謝る。

でも、オレのことをきらいでも憎んでもいいから。

オレの後にしおるちゃんが出会う、オレとおなじようなひとに。

オレに向けた、痛くて哀しいモノは、ぶつけないでくれたら嬉しい。


今、おもうと。

日々の生活の中に鬱屈してたモヤモヤ、全部Kさんにぶつけてたん

だろうね。。。

わたし自身が。

異端で。ヒトと違うモノで。差別されて。虐げられて。

だから、自分より『下』で、『ヘン』で、『劣っている』って。

Kさんのことを思うことで、自分を守ろうとしてた。

ヤなわたし。最低だったわたし。


全部、全部、『いいよ』って。

そうゆるしてくれて、わたしのために泣いてくれて。


Kさんのことが大好きになって、尊敬して、恋を応援したりもして。


やっと、やっと、今までもらったものを『ありがとう』って返せる。

そういうわたしになれてさ、そんなときに。


Kさんは突然に、逝ってしまったね。


・・・・うん。

まだ、『その時』のことは、はっきり思いだしたくもない、書きたくない。

でもね、でも。

Kさんがくれた、

つよくてやさしい、とうめいできれいな、あったかいものは。

ちゃんとある。わたしのなかに、仲間のなかに、生きてる。

だから、それでいいよ。

今は、まだそれでいい。


わたしもいつか。

だれかに、伝えたい。

渡したいよ。






こんな夜。

唐突に思いだすね。

一緒に、静かに、少しだけ泣いて。

後は笑って、前を向いて歩こうか。


さあ、もう寝なさい。

悪い夢なんか見ないように、ちゃんと見張っててあげるから。


おやすみ、『わたし』。


良い夢を。