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ワークマン | 8,170 | +340 |
アウトドア向けやタウンウエアを扱う「ワークマンプラス」が人気のワークマン。緊急事態宣言が出された4月も業績はプラス成長が続いています。一方で、株価は2019年12月に10,570円を付けた後に下降し、5月15日時点で約2割下落した8,170円に留まっています。
ワークマンプラスの人気が上昇する中で手堅い経営を続けるワークマンは、5月の外出自粛緩和後、アウトドアシーズン入りとともに成長が加速するのでしょうか。10,000円割れが続く株価の行方とともに注目されます。
外出自粛の4月も対前年同月比でプラス成長を続ける
コストパフォーマンスに優れたアウトドアグッズを取り扱うワークマンプラスで人気が急上昇したワークマン <7564> 。その快進撃が続いています。
新型コロナの影響で小売企業が大打撃を受ける中、同社の4月店舗業績は既存店売上高が対前年同月比105.7%とプラス成長となりました。新規出店も合わせた全店ベースでは107.8%であり、緊急事態宣言下でも目覚ましい成長を維持しています。
ただし、株価は2019年12月に高値10,570円に到達した後で下降しており、5月15日終値は8,170円。3月に5,000円台まで下落した後に株価の回復は見られますが、最高値から約2割下落の水準に留まっています。
ワークマンプラス人気で2020年3月期は経常利益200億円を突破
ワークマンの過去3期の業績は下記のように推移しています。
2018年3月期 売上高561億円、経常利益119億円、当期純利益78億円
2019年3月期 売上高670億円、経常利益148億円、当期純利益98億円
2020年3月期 売上高923億円、経常利益207億円、当期純利益134億円
※2021年3月期予想は新型コロナ問題を受け非公表
2019年3月期までのワークマンは売上高500-600億円、経常利益120-150億円の事業規模でしたが、ワークマンプラスのヒットにより、2020年3月期は売上高は1,000億円目前、経常利益が200億円突破の水準まで成長しました。
また同社の店舗はほとんどがFC(フランチャイズ)店であり、経常利益率は2018年3月期21%、2019年3月期22%、2020年3月期22%。成長を続けながら20%超の高い経常利益率を維持している点も注目されます。
400億円を超える現預金を持ち、実質的な”無借金企業”
ワークマンの経営は非常に手堅いところが特徴です。2020年3月期の自己資本比率は80%であり、452億円の現預金を有する一方で短期借入金は14億円に留まるなど、実質的に無借金企業と言えます。
またFC出店がほとんどであり(2020年3月期のFC比率96.1%)、同社は商品企画や店舗企画に特化する高収益かつ身軽な企業形態です。そして商品企画に特化できる体制が、ワークマンプラスを生んだバックグラウンドとなっています。
さらに、ワークマンプラスのヒットがあっても、従来とそう変わらない年間36店の出店に留めているなど(新規開店数推移:2018年3月期30店、2019年3月期19店、2020年3月期36店)、堅実な事業運営を続けています。
外出自粛緩和後にアウトドアシーズン本格化、ワークマンの成長は加速するのか?
ワークマンの店舗はFC店で、本部は商品企画などに特化し、実質的に借入金ゼロで400億円を超える現預金を豊富に持つ会社、というのは意外感があるのではないでしょうか?
実はワークマンは群馬県伊勢崎市に本社を置く地方企業です。上場する地方企業は手堅い経営を行う企業が多い傾向にありますが、ワークマンもその1社と言えるでしょう。
堅実な企業経営を行う中でも、ワークマンプラスの人気化により同社の売上・利益は2年で1.5倍以上の伸びを見せています。また、新型コロナ影響下の4月も成長が続いており、5月の外出自粛緩和後はアウトドアシーズン本番を迎えます。
緊急事態宣言が解除されつつある中、アウトドアシーズンに向けてワークマンの成長はさらに加速するのでしょうか。節目の株価10,000円を回復できるのかという点も合わせて注目していきたいと思います。
出典:LIMO
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