◇<相場の見方、歩き方>TSMCとアドバンテストの決算が呼び水に、やがてやってくる奔流に備えるべ | 12/8Emergency発令「8/1510時看板犬ぽんたが13歳で心不全で他界。生き霊を飛ばしていた経験を天国でフル活用天国と地上と行き来自由!」

12/8Emergency発令「8/1510時看板犬ぽんたが13歳で心不全で他界。生き霊を飛ばしていた経験を天国でフル活用天国と地上と行き来自由!」

2月23日0時をもって、Emergency再発令。引き続きCOVID-19「非常事態宣言」。6月30日をもって、Emergency警戒に移行!

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<気温は高くても株式市場には熱気なし>

 鈴木一之です。あいかわらず天候が安定しません。

 日本の今年の梅雨は例年にない降雨量となりました。北半球では欧州各国が異常な猛暑に見舞われており、パリでは42度を記録したそうです。ベルリンも40度を超えました。昨年の日本を超える厳しい熱波が押し寄せています。

 ちょうど1年後、来年の今頃は東京オリンピック、パラリンピックが開幕しているはずです。その時にどのような状態の天候になっているのか。今から心配してもあまり生産的ではありませんが、何ごともなく無事に過ごすことだけを願っています。

 気温がどんどん上がっていくのとは対照的に、株式市場の熱気はますます冷めているように感じられます。今週、NY株式市場ではS&P500とNASDAQが史上最高値を更新しましたが、それでも出来高はさほど盛り上がっておりません。

 日本も株式市場はそれなりに上昇した一週間でした。しかし東証1部の売買代金は2兆円の大台を一度も上回ることができません。商いが薄いのでちょっとしたことですぐに値段は上下に動いてしまいます。


<理由なき大幅下落と見えても、やはり気になるのは米中関係>

 典型的な例が前週の18日の下げです。さしたる理由もないままに日経平均株価が前日比422円も下落し、一時は2万1000円台を割り込みました。東証1部の値下がり銘柄数は2075銘柄に達し、数の上では2019年相場で最も多い一日となっています。

 一週間が経過しても18日の株価がこれほどまで大きく下押しした理由は、わかるようでよくわからないままになっています。前日にトランプ大統領は中国との貿易交渉が合意に達するには相当の時間がかかる、と表明していました。

 この発言が相場の地合いを冷やしたのは事実です。世界経済への警戒心が再び頭をもたげ、ドル円相場は1ドル=107円台までドル安・円高に振れました。マーケットの最大の関心事は米中貿易紛争の行方であることが、あらためて市場参加者のマインドに刻み込まれました。

 おりしもその前日には米国市場で、鉄道および物流大手のCSXの4-6月期の決算発表がありました。売上高および利益見通しが市場の予想を下回り、今期(2019年12月期)の業績見通しも下方修正されました。これでCSXの株価は10%を超える下げとなり、世界および米国経済の先行きに対して警戒心が一段と広がりました。


<TSMCの決算が流れを変えるきっかけに>

 しかしマーケットが攪乱させられたのもここまでです。

 翌日は早くも株価は大きく反発し、特に日経平均は19日1日だけで、前日の下げ幅をほぼすべて埋め戻すに至りました。絵にかいたような、という表現がまさにふさわしい、劇的なV字型反発です。誰しもが先行きの展望を描き切れず、付和雷同的に株価の動きに従っているだけのようです。

 相場反転のきっかけは、台湾の半導体大手、TSMCの決算による半導体産業への見通しの変化、それにやはり米中貿易紛争のわずかな局面変化があります。

 米中問題に関しては、今週になって、ライトハイザーUSTR(米通商代表部)代表とムニューシン財務長官が中国を再び訪問すると報じられました。6月末のG20大阪でトランプ大統領と習近平国家主席が「休戦合意」を交わして以来、初めての動きらしい動きです。

 今の米中関係のこじれがすぐに改善すると考えることはできません。それでも何かしらの変化の兆しを探していたマーケットには、ひとまず前向きの効果をもたらしました。これが変化のひとつです。

 そして半導体業界の動向です。ファウンドリーの世界最大手・TSMCが7月18日の4-6月期の決算発表において、7-9月期からの回復見通しを明らかにしたこと、その上で半導体製造における設備投資を大幅に積み増すことを表明しました。

 それから一週間が経過し、今週は世界中で半導体関連株に対する見方が大きく変わりつつあることが確認されました。日本では決算発表を行ったアドバンテスト <6857> が25日にストップ高まで買われ、同じく信越化学工業 <4063> も一日で7%を超える上昇を記録しました。


<日本ではアドバンテストの決算が変化の局面を暗示>

 注目すべきは、アドバンテストの4-6月期の受注高が前期比でわずかながらもプラスに転じたことです。TSMCの場合と同様に、受注環境がボトム期を迎えた可能性が浮上しています。

 世界的に高いシェアを持つHOYA <7741> が高値を更新し、ディスコ <6146> 、アルバック <6728> 、山一電機 <6941> 、ローツェ <6323> 、ミライアル <4238> など半導体関連の中でも高シェアを誇る銘柄がいずれも週を通じて堅調さを保っています。

 世界経済が混迷の度合いを深めているのは、ひとえに米中貿易紛争の先行きの展開がまったく読めないためです。技術革新の大波が押し寄せていることは誰の目にもはっきりとしているのですが、その需要を取り込むための設備投資に対して企業経営者は二の足を踏んでいます。

 仮にこの分野において少しでも明るい兆しを見出すことができたら、ワールドレベルで企業経営者は一斉に設備増強に踏み込むことでしょう。果たして誰がそれを真っ先に行うのか、みんなが横目でにらみ合っている状態が続いています。

 TSMCとアドバンテストの決算内容、先行きの見通し、およびそれに基づいた設備投資計画の前倒し実施は、最初の呼び水になった可能性があります。積み上がっていたニーズが抑えきれず、大きな奔流となって流れ出ているイメージです。

 事態はまだ何も明確にはなっておりませんが、最初の動き出しは始まっているように感じられます。今後もおそらく何度かの揺り戻しがやってきて、景気に関しては前進と後退を幾度も繰り返すことになるでしょう。半導体という世界最大の景気敏感株はそういうパターンで株価のボトムが形成されてゆくものです。

 株価は景気を映し出します。景気と株価は並行して動いています。しかし株価が示し出す景気の実相と、私たちが日常生活の中で知覚できる経済の実相とはタイムラグがあるものです。

 その辺りの微妙なニュアンスを今後どのように市場は織り込んでゆくのか、天候ばかりでなく今年の夏は非常に興味深い動きになりそうです。決算のよかったネットワンシステムズ <7518> 、ISID <4812> 、ベイカレント・コンサルティング <6532> 、サイバーエージェント <4751> 、そしてやはりアドバンテスト <6857> に注目しています。

出典:モーニングスター社イメージ 2


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