☆彡「「遠くへ行きたい」が圧倒的な支持を集める理由」 | 12/8Emergency発令「8/1510時看板犬ぽんたが13歳で心不全で他界。生き霊を飛ばしていた経験を天国でフル活用天国と地上と行き来自由!」

12/8Emergency発令「8/1510時看板犬ぽんたが13歳で心不全で他界。生き霊を飛ばしていた経験を天国でフル活用天国と地上と行き来自由!」

2月23日0時をもって、Emergency再発令。引き続きCOVID-19「非常事態宣言」。6月30日をもって、Emergency警戒に移行!

2019年6月30日 5時10分 東洋経済オンライン
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1970年10月4日にスタートした「遠くへ行きたい」第1回放送のオープニング画面(写真:「遠くへ行きたい」提供)

“JRグループ”がCM提供している唯一の番組をご存知でしょうか? JR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州の各社ではなく、JRグループ全体であるところに、番組の歴史とすごみが見え隠れしています。

その番組は日曜朝に放送されている「遠くへ行きたい」(読売テレビ、日本テレビ系)。1970年10月4日のスタートから約49年の歴史を誇る「日本で最も長く放送されている旅番組」であり、現在も時間帯トップの視聴率を記録する人気番組です。

なぜこの番組だけJR各社ではなくJRグループがCM提供しているのか? なぜ半世紀の長期にわたって番組を続けてこられたのか? さらに、なぜ旅行好きだけでなく、鉄道ファンからの支持を集めてきたのか?

業界内で旅番組のレジェンド的な存在として知られ、同番組を46年もの長期にわたって手がけてきたテレビマンユニオンの土橋正道(つちはし・まさみち、橋は木へんにはしごだかの上部分がノと一の組み合わせ)チーフプロデューサーに話を聞きました。

国鉄の時代からCM提供していた
なぜJRグループがCM提供しているのか? その理由は、番組が誕生した背景が関係しています。1970年のビッグイベントと言えば、アジア初であり、史上最大の規模で行われた大阪万博。約6400万人もの来場者を記録するフィーバーで、国鉄(JRグループの前身)の乗客が飛躍的に増えました。

国鉄はこの追い風を生かすべく、個人旅行を促す“ディスカバー・ジャパン”というキャンペーンを企画・実行。その一環として、民放初の旅番組「遠くへ行きたい」がスタートしたのです。

土橋「大阪万博と同じ1970年に、当時TBSのスターディレクターだった人たちがテレビマンユニオン(番組制作会社)を立ち上げました。その人たちが大阪万博の電信電話公社(NTTグループの前身)のパビリオンを演出していた関係もあって、『テレビ番組でもディスカバー・ジャパンをやろう』という話になり、この番組が生まれました。当時はまだ日本国内の旅番組はなかったみたいですね」

つまり、国鉄が分割民営化する前の時代からCM提供を行っていたから、「JRグループ」という名称が残っているということ。長い歴史と実績を持つ「遠くへ行きたい」ならではのことであり、「JRグループ全体の共有財産のような番組」といえるのかもしれません。

詳しくは後述しますが、だからこそ同番組は、旅行好きだけでなく、鉄道ファンたちの支持を集めているのです。

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「遠くへ行きたい」エグゼクティブプロデューサー・土橋正道氏(筆者撮影)

番組は、「毎週1人の旅人(芸能人、文化人、アスリートなど)が日本各地を旅する」というシンプルなコンセプト。しかし、「遠くへ行きたい」は効率化・単純化が進むテレビ業界の中では異例といえるほど、労力と手間をかけた作り方をしているようです。

その象徴といえるのが、企画の段階で旅人と必ず会って話をすること。ディレクターが行き先の目星をつけつつも旅人と会い、希望や興味の有無をヒアリングしながら、行き先を決めているのです。「タレントへのヒアリングは、メールでアンケートをやり取りするだけ」という番組が多い中、なぜ非効率と思われる方法を採用しているのでしょうか?

土橋「旅人は企画の段階から参加して、ロケに行って、自らナレーションを入れてもらうまで、すべてのパートに参加してもらうので、最初に会って話したほうがいいんですよ。それと、この番組は『誰がどこへどういう目的で行って、その結果こういうものと出会って』というだいたいの骨組みがあるだけで台本はないですし、セリフで決まっているところは一つもありません」

ほかの旅番組と決定的に異なるのは、現場重視のドキュメンタリー感。「旅人の自然かつ魅力ある表情を引き出すためには、顔を合わせた事前の打ち合わせが欠かせない」ということでしょう。ロケ先に、「旅番組にはつきものの現地コーディネーターがいない」ことも含め、リアルな旅のムードを醸し出す努力が随所に施されているのです。

中でも、それが如実に表れているのは、旅先で名物料理を食べるシーン。他番組のいわゆる“食レポ”とは一線を画す演出が施されているのです。

「食リポ」と「撮り直し」はしない
土橋「おいしさを伝えるためには、食べるまでの“準備”をきちんと撮ることが大事。視聴者はそれを見ている間に、味を想像することができるんですよ。実際に食べたシーンでおいしさがわかるのではなくて、それまでにおいしさを共有できるようなお膳立てをしておくわけです。例えば、魚を捕まえる。さばく。火を起こす。焼くと表面がジリジリ焦げて、脂が滴る。それだけを見ていると、おいしそうで食べたくなりませんか?」

よく見る「いきなり料理が出てきて食べて感想を言う」という食リポとは一線を画す演出だったのです。食べるシーンで旅人がいいコメントを言えなかったとしても、「編集のときに自らの声でナレーションを入れる」というフォローの方法を採用することで、無理して言わせることはありません。「ロケで優先すべきは旅情と旅人」という方針が徹底されているのです。

さらに、旅情と旅人を優先させる方針は、「撮り直しを避ける」という演出にもつながっていました。

土橋「結局ファーストテイクが、いちばん力があるんですよ。一度でうまくいかなければ、補足するための策を考えることはありますが、旅人にやり直してもらっても映像の力がないんです。これは旅人だけでなく旅先で出会った人々も同様で、ファーストテイクが最もいい反応をしてくれますね。ときどき『テレビ番組への協力はもうたくさんだ』という人の話を聞く機会がありますが、『細かく指示を出されて、セリフも決められて、何回もやらされた』ということが多いですし、ディレクターたちには『2度、3度撮り直すのはやめよう』と言っています」

読んでいる人の中には、「撮り直しをしないだけなんて、そんなの簡単じゃないか」と思うかもしれませんが、この演出を貫くためには、地道な努力が必要なのです。

拘束時間が長くても「出たい」番組
今回のインタビューで最も驚かされたのは、1本30分の番組制作に1カ月半~2カ月もの長い時間をかけていること。それを毎週放送しているのですから、いかに多くの時間と人員を割いているかがわかるのではないでしょうか。

土橋「放送日から逆算して2カ月前くらいから動き出して、ロケハンは短くて4日、長くて1週間。撮影は2泊3日がマスト。その後の編集は10日間かけて行い、最後に旅人本人がナレーションを入れています」

効率化を求めて分業が進む現在のテレビ業界では、ディレクターとタレントが大半の制作過程に関わる番組は、ほとんどなくなりました。その点「遠くへ行きたい」は、1本30分の早朝番組でありながら、ゴールデンタイムの特番にも劣らない労力と手間をかけることで番組の魅力を高めているのです。

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新宮市線(写真:「遠くへ行きたい」提供)

ただ、土橋さんに話を聞いていて頭に浮かんだのは、「1本30分の番組でタレントを2泊3日も押さえられるの?」という疑問。半日程度のロケのみで終わらせる番組も多い中、「遠くへ行きたい」は、事前の打ち合わせや、ロケ後のナレーション作業も含め、タレントから見たら割のいい仕事ではないように見えます。

土橋「もともとロケは2泊3日ではなく、3泊4日だったんですよ。でもタレントを4日押さえるのが大変になって、今では3日でも難しくなりました。ただこちらとしては、長い時間その土地にいることで、旅人の気持ちが旅に入ってくるので、『ぜひ3日お願いします』と譲らないようにしています」

そんな拘束時間の長い番組でも旅人の選定には困らないのは、タレントにとって「プロデューサーやディレクターよりも旅人を優先させる」という他番組にはない魅力があるから。

土橋「普段旅番組に出ない人も、『遠くへ行きたい』だったら出てもいい、という人がいるんですよ。すべてのシーンに自分1人だけで出られる番組ってなかなかないですよね。最初から最後まで参加するので、『やり切った』という達成感があるし、『自分の魅力を多角的に描いてもらえる』という点も喜んでもらっています」

鉄道ファンへのさりげないサービス精神
同番組を語るうえで、もう1つ忘れてはいけないのは、鉄道の旅を大切にしていること。電車の旅ならでは旅情を大切にし、車両、乗車、車窓、駅弁などのシーンに力を入れているのです。

土橋「僕自身はディレクターたちに『必ず列車は入れるように』と言っていますし、地方の路線も応援したいと思っています。撮影上の制約は少なくありませんが、『この駅で、何時に、どこのポジションから映す』とか、時間と場所に合わせながらいちばんいいところをきちんと撮れるようにしていきたいですね」

とりわけ撮影の工夫が感じられるのは車窓のシーン。ここには鉄道ファンへのさりげないサービス精神が込められていました。

土橋「例えば、車窓から一面の海が見えるところか、各鉄道の沿線には絶景の場所が必ずあって、それを逃さないようにしています。旅情を楽しんでもらうためにナレーションでの説明は入れませんが、乗ったことのある人なら『俺、あそこ撮った!』とわかってもらえますから。『何気なく絶景を映しているシーンも、実は車窓だった』というケースもありますし、これからも鉄道の美しい風景は撮っていきたいですね」

鉄道の旅を演出するうえで、技術的な変化が大きいのは、ドローンの存在。

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五能線の海沿いを走る列車(写真:「遠くへ行きたい」提供)

土橋「ドローンのおかげで、例えば五能線の海沿いを走る列車とか、その場所の特徴を捉えた鉄道の絶景が撮りやすくなりました。

絶景に絡めるだけでなく、外から車両全体を映すこともできますし、カメラマンたちはドローンを貪欲に練習しているので、見せ方はどんどん多角的になっていくと思います」

一見すると、普通の旅番組であるにもかかわらず、よく見ると鉄道の旅というスパイスを効かせているのは、さすがJRグループのCM提供番組といえるのではないでしょうか。

番組は来年10月で放送50年を迎えます。ここまで続いてきた理由と、今後の方向性を土橋さんに尋ねてみました。

土橋「番組は時代を映す鏡であり、時代にコミットできる実力がないと続いていかないと思っています。今は視聴者の目が肥えているので、考えていることの半歩先を行くようなメッセージを番組として隠していないとダメなんですよ。2歩先を行っちゃうと視聴者は離れてしまうので、あくまで半歩先くらい。『あまり気づかないくらいのところを掘り下げる』という感覚を大切にしています」

例えば、5月5日に放送された「前川泰之が大人の修学旅行!奈良の知られざる日本一を巡る」では、鹿せんべいの製造店「武田俊男商店」を訪れるシーンがありました。普通の旅番組なら「鹿せんべい作りの現場を見ておしまい」ですが、この番組は鹿せんべいの包み紙がパルプ100%(お腹の中で溶ける)、グリーンの印字は大豆から抽出した汁、のりは小麦粉で作られていることを紹介していたのです。

これは「鹿が紙を食べてしまう」という問題に対応したものであり、「現在の鹿せんべいは、鹿が食べてもすべて消化できるものに進化した」ということ。これこそが土橋さんの語る“時代にコミットできる実力”であり、“半歩先のメッセージ”なのでしょう。

さらに土橋さんは、今後の番組に向けて、力強い言葉を発していました。

土橋「僕がやっている間は、この番組はさらにパワーアップさせていきたいし、新しいことをどんどん取り入れていきたいし、この時代の人々が見て『楽しい』というものを作り続けていきたいですね。今、現場には20代のディレクターもいて、番組制作の技術はまだまだだけど、若い感性を注入してもらっていますし、僕の持っているものは後輩たちにすべて伝えるつもりでやっているので、その中に後継者が出てきてくれたらと思っています」

いまだ番組に根付く“永六輔イズム”
最後に触れておきたいのは、いまだ番組に根付いている“永六輔イズム”について。もともと「遠くへ行きたい」は、永六輔さんが1人で旅に行き、編集し、ナレーション入れるという形の番組でした。

その後、番組は週替わりの旅人が旅に出る形に変わりましたが、前述したドキュメンタリー感の強い演出は、台本どおりの構成を嫌う永さんの意向から続いているものです。そして、もう1つ、永さんの意向として現在も重視されているのは、「取材させていただく」という謙虚な姿勢。

土橋「カメラが小さくなったので、なるべく目立たないように撮影していますし、人混みを撮るときは旅人とカメラマンだけで行かせて離れたところから見守ることもあります。永さんに『テレビは一般の人の暮らしにとって邪魔なものなんだ。映してもらわなくていいという人が大半なんだ。そういうところにわれわれはカメラを持ってお邪魔するという気持ちを忘れてはいけない』と強く言われていたので、今でも『なるべく人様の迷惑にならないように』と思いながら撮影しています」

労力と手間を惜しまず、視聴者の半歩先を行こうとし、謙虚な姿勢を忘れない。この3点が失われないかぎり、「遠くへ行きたい」は日本最長の旅番組として支持され続けるのではないでしょうか。

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