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12/8Emergency発令「8/1510時看板犬ぽんたが13歳で心不全で他界。生き霊を飛ばしていた経験を天国でフル活用天国と地上と行き来自由!」

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2019年6月29日 6時0分 東洋経済オンライン
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例年とは異なり、武田薬品工業の定時株主総会は今年、横浜市内で開かれた(記者撮影)

武田薬品工業の定時株主総会が6月27日に開かれた。例年は大阪市内で開催していたが、今年はG20サミットの開催と重なり、横浜市のパシフィコ横浜での開催となった。

1月8日に欧州の製薬大手シャイアーの買収を完了してから最初の株主総会で、取締役の選任や取締役の株式報酬額、株式報酬の内容の変更など、会社側が提案した議案は6件とも承認された。議決権行使助言会社が反対推奨していたクリストフ・ウエバー社長の選任も承認された。

一方、武田薬品のOB社員ら個人株主でつくる「武田薬品の将来を考える会」が提案した2件の株主提案(取締役報酬の個別開示、クローバック条項の定款への採用)は否決された。表面的には会社側が全面勝利した。

総会は株主提案側の「実質的勝利」
しかし、その内実は異なる。2つの株主提案は否決されたが、クローバック条項については社外取締役でコマツ元社長の坂根正弘・取締役会議長は総会の場で「来年の5月までに取締役会で社内規定(内規)の整備を検討していく」と事実上の受け入れを表明した。

株主総会に参加した一般株主からも「株主提案はいい。賛成だ」(70歳台の男性)という声が聞かれるなど、株主が拒否反応を起こすような提案ではなかったと言える。

総会終了後にメディアの取材に応じた「考える会」の武田和久氏は「われわれの主張が通った」と述べた。表面的には株主提案は否決されたものの、今回の株主総会は株主提案をした側が実質的に勝利したと言ってよいだろう。

武田にとっては誤算が続いている。1つは「考える会」の株主提案だ。シャイアーを買収し、グローバル企業を目指す武田であれば当然用意しておくべき取締役の報酬制度を、逆に株主から提案されたからだ。

具体的には、全取締役の個別報酬の開示と「クローバック条項」の導入だ。クローバック条項とは、業績の下方修正などが生じた場合にいったん支払った取締役の報酬を返還させる制度。日本ではまだなじみがないが、アメリカの大企業(S&P500)は2013年時点でも8割が採用するほど普及している。

クローバック条項の狙いは過度なリスクの抑制
クローバック条項の狙いは、取締役が過度にリスクをとることを抑制することにある。欧米企業では、業績に連動して取締役の株式報酬が変動する。その割合を引き上げることにより、会社の成長を促してきたが、その反動で巨額の減損や不正会計が頻発した。経営破綻したエンロンや投資銀行しかりだ。そうした事態を防ぐため、とくに金融危機後のアメリカでクローバック条項が発達した。

日本でも日本取締役協会が2016年10月に出した「経営者報酬ガイドライン(第4版)」でも、短期・中長期の業績連動報酬の比率拡大と同時にリスク管理のための方策の1つにこのクローバック条項を挙げている。

武田との関連で興味深いのは、ガイドラインが「海外投資家保有比率の高い企業」「先進国の企業と互角に戦い、勝ち抜く必要のある企業」などは急激な制度改革が期待されるとしていることだ。シャイアーを買収し、海外投資家の株式保有比率が2019年3月末で50%に達した武田はまさにこうした企業にあてはまる。

全取締役の報酬個別開示も、英米で上場している大企業ではすでに一般化したものなのはいうまでもない。

武田にとってもう1つの誤算は、議決権行使助言会社大手のISSとグラスルイスが、株主提案に賛成の姿勢を示したことだ。両社とも機関投資家の株主総会での議案の賛否決定に大きな影響力を持つ。ましてやシャイアー買収時の新株発行の結果、武田株式の5割を保有するのが海外の機関投資家である。武田にとってはある意味脅威だった。

ISSに至っては、会社側が提案するウエバー社長の取締役選任を反対推奨した。同社が推奨するのは、過去5年間の資本効率(ROE)が5%以上であること。武田の場合は2019年3月期までの平均が3%で、今後の改善もはっきりとは期待できないという点が反対推奨した理由だと思われる。

ISSの意向が公になった直後の14日、武田は取締役報酬制度を変更する目的などを説明する文書を発表。17日には坂根議長名でウエバー社長の取締役信任を訴える公開文書を出した。

坂根議長は「驚きを隠せない」とISSを非難
坂根氏はこの中で「こういった推奨(ISSによるウエバー社長取締役反対への推奨)が出たことについて、私は驚きを隠せず理解が出来ない。(中略)シャイアー社買収に賛同頂いた90%の株主の皆様の期待を無にするものであると思います」と異例の強い表現でISSを非難した。

欧米企業は、業績に連動した取締役報酬の比率を拡大すると同時に、クローバック報酬制で過度なリスクへの備えも怠らない。しかし、武田の会社側提案は前者のみを導入するものだった。シャイアー買収でメガファーマ入りを目指しているのに、これでは「いいところ取り」(考える会)と批判されても仕方がないだろう。

しかも、社外取締役が過半を占め、監査等委員会設置会社に移行するなど、先進的なガバナンスを売りにしている割には、株主提案を受けてこうした制度を導入するなど、真のグローバル企業としての心構えが出来ていないことが露呈した。

今年の株主総会であまり目立たないが、看過できない問題は取締役報酬制度のうち、毎年の業績と連動して支払われる賞与の基準が、株主に丁寧な説明もないままに変更されそうになったことだ。

具体的には、2017年度までは連結売上収益、コア・アーニングスとともに、1株利益(EPS)をもとに賞与が計算されていたが、今回の会社側提案でEPSだけが「コアEPS」に変更された。ウエバー社長は株主総会で「より適切な指標に変えた」という趣旨の回答をした。

取締役報酬基準をなぜ今、変更したのか
小さいことのように見えるが、実は株主にとっても大きな問題をはらむ変更だ。EPSが純利益を株式数で割って算出するのに対し、コアEPSは事業売却や買収など、会社が非定常的と判断した項目を純利益から除外して算出する。シャイヤー買収があったため、EPSは2017年度の239円から2018年度に113円へ53%減少したが、会社資料によると、コアEPSは逆に29%増加した。

もちろん、非定常的な部分を除いた実質の成長を見るという会社の主張がまったく間違いとはいえないが、財務会計に基づく損益を反映しない数値で取締役の報酬を算出するのが株主にとって望ましいかとなると議論があるところだろう。何を基準として取締役報酬が算出されるのか。また、基準を変更する場合には、株主に丁寧な説明をすべきだが、この点、会社側の説明は十分だとは言えない。

とくに、2018年度は従来のEPSを使うと報酬は大きく減少する計算になる。なぜ変更したかを株主に積極的に説明してこなかった以上、「決算を考えて変更したのではないか」と疑われても致し方ない。

株主総会での報酬制度の変更承認を受けて、株主総会と同じ6月27日に発表された2018年度の有価証券報告書によると、ウエバー社長の報酬等総額は17億5800万円(2017年度は12億1700万円)。うち賞与は6億3800万円(同3億3400万円)だ。

武田の株主はこうした事実を知った上で、今回の株主総会をどう受け止めるのだろうか。

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