【日経新聞1面】ルノーが統合再提案、3社連合は再び紛糾
2019/4/23 8:30 FISCO
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ルノーが統合再提案、3社連合は再び紛糾
ルノー、統合を再提案、日産拒否、対等主張へ、連携強化遅れ懸念
仏ルノーが今月中旬、日産自動車<7201>に経営統合を提案したことが22日、関係者の話で分かった。経営の独立性を求める日産は提案を拒否するとみられ、販売台数で世界2位の日仏連合の協力関係に影響が出る可能性もある。規模や技術力で日産に劣るルノー側は経営基盤を強化するため、かねて統合を目指していた。カルロス・ゴーン元会長が逮捕されて以後、両社間の具体的な動きが明らかになるのは初めてのことだ。
ルノー側は経営統合で日仏企業連合の相乗効果を最大限発揮できると主張したが、日産はこの提案を拒否している。より対等な資本関係を求め、単独で経営効率を上げた方が企業価値はより高まると判断、西川社長兼CEOは22日夜、ルノーからの経営統合の再提案に対し「考えるときではない。日産の業績を立て直すことに集中する」と報道陣に述べた。
両社はこの数カ月は表だった対立を避けてきた。ルノーのスナール会長は、3月の記者会見で経営統合について「仏政府を株主として尊重するが、ルノーや日産、三菱自動車<7211>にも将来がある」と統合棚上げを示唆した。両社の融和ムードの中で、4月12日に3社の首脳らが集まってルノー本社で新しい会議体「アライアンス・オペレーティング・ボード」の初会合を開催。これまでゴーン元会長に権限が集中していたのを、3社トップの4人による合議制での意思決定に改めるとされていた。
だが、一転してルノーからの統合提案が表面化、日仏連合の連携強化の取り組みが遅れると懸念される。日産は6月の定時株主総会後も西川社長が続投する方針だが、筆頭株主のルノーが反発する可能性がある。ルノーの統合構想には同社に15%を出資する筆頭株主の仏政府の意向も働いている。ゴーン元会長が2018年9月にルノーと経営統合する意向を西川社長に伝え、仏政府も19年1月に共同持ち株会社方式を軸にルノーと日産との経営統合を日本政府関係者に提示していた。
日仏自動車3社連合の問題が再び紛糾している。グローバル展開、技術力の点で見劣りするルノーが単独では生き残れないという危機感が強く、仏政府がフランス国内のルノー工場での雇用者を維持するためにも、日産とルノーの経営統合を強引に進めようとしているが、日産サイドは今回のゴーン元会長逮捕事件がルノー・仏政府の呪縛から逃れるチャンスとみている。しかし、これからゴーン元会長の裁判が始まることもあって、問題解決は長引きそうで、世界の自動車業界が「CASE時代」を迎え、その対応が急がれる中で、3社連合の対応が遅れることへの不安は大きいと言えそうだ。
ルノー、統合を再提案、日産拒否、対等主張へ、連携強化遅れ懸念
仏ルノーが今月中旬、日産自動車<7201>に経営統合を提案したことが22日、関係者の話で分かった。経営の独立性を求める日産は提案を拒否するとみられ、販売台数で世界2位の日仏連合の協力関係に影響が出る可能性もある。規模や技術力で日産に劣るルノー側は経営基盤を強化するため、かねて統合を目指していた。カルロス・ゴーン元会長が逮捕されて以後、両社間の具体的な動きが明らかになるのは初めてのことだ。
ルノー側は経営統合で日仏企業連合の相乗効果を最大限発揮できると主張したが、日産はこの提案を拒否している。より対等な資本関係を求め、単独で経営効率を上げた方が企業価値はより高まると判断、西川社長兼CEOは22日夜、ルノーからの経営統合の再提案に対し「考えるときではない。日産の業績を立て直すことに集中する」と報道陣に述べた。
両社はこの数カ月は表だった対立を避けてきた。ルノーのスナール会長は、3月の記者会見で経営統合について「仏政府を株主として尊重するが、ルノーや日産、三菱自動車<7211>にも将来がある」と統合棚上げを示唆した。両社の融和ムードの中で、4月12日に3社の首脳らが集まってルノー本社で新しい会議体「アライアンス・オペレーティング・ボード」の初会合を開催。これまでゴーン元会長に権限が集中していたのを、3社トップの4人による合議制での意思決定に改めるとされていた。
だが、一転してルノーからの統合提案が表面化、日仏連合の連携強化の取り組みが遅れると懸念される。日産は6月の定時株主総会後も西川社長が続投する方針だが、筆頭株主のルノーが反発する可能性がある。ルノーの統合構想には同社に15%を出資する筆頭株主の仏政府の意向も働いている。ゴーン元会長が2018年9月にルノーと経営統合する意向を西川社長に伝え、仏政府も19年1月に共同持ち株会社方式を軸にルノーと日産との経営統合を日本政府関係者に提示していた。
日仏自動車3社連合の問題が再び紛糾している。グローバル展開、技術力の点で見劣りするルノーが単独では生き残れないという危機感が強く、仏政府がフランス国内のルノー工場での雇用者を維持するためにも、日産とルノーの経営統合を強引に進めようとしているが、日産サイドは今回のゴーン元会長逮捕事件がルノー・仏政府の呪縛から逃れるチャンスとみている。しかし、これからゴーン元会長の裁判が始まることもあって、問題解決は長引きそうで、世界の自動車業界が「CASE時代」を迎え、その対応が急がれる中で、3社連合の対応が遅れることへの不安は大きいと言えそうだ。
関連銘柄 4件
・日産自動車(7201)東証1部
仏ルノー・三菱自連合で世界2位、仏ルノーの出資比率43.40%
国内大手自動車メーカー。仏ルノー傘下。三菱自へ資本参加。世界160以上の国・地域で商品、サービス提供。海外売上比率が高い。北米等は販売減少だが、日本は販売増。販売金融事業は堅調。19.3期3Qは小幅増収。 記:2019/03/27
仏ルノー・三菱自連合で世界2位、仏ルノーの出資比率43.40%
国内大手自動車メーカー。仏ルノー傘下。三菱自へ資本参加。世界160以上の国・地域で商品、サービス提供。海外売上比率が高い。北米等は販売減少だが、日本は販売増。販売金融事業は堅調。19.3期3Qは小幅増収。 記:2019/03/27
・三菱自動車工業(7211)東証1部
国内6位・アジア市場に強み、日産自の出資比率33.99%
ピックアップトラック、SUV、クロスオーバー系車種に強み。ルノー・日産アライアンス入り。海外売上比率が高い。グローバル販売台数は2桁増。北米はアウトランダーPHEV等が堅調。19.3期3Qは2桁経常増益。 記:2019/02/22
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ピックアップトラック、SUV、クロスオーバー系車種に強み。ルノー・日産アライアンス入り。海外売上比率が高い。グローバル販売台数は2桁増。北米はアウトランダーPHEV等が堅調。19.3期3Qは2桁経常増益。 記:2019/02/22
・日産車体(7222)東証1部
日産系車体組み立てメーカー、日産自向け依存度98%
日産の乗用車や商用車等を受託生産する完成車メーカー。生産拠点は国内は湘南と九州。ニューヨークの「NV200タクシー」の量産など、グローバルに対応。19.3期3Q累計は二桁の増収、利益は大幅黒字転換と回復。 記:2019/03/04
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・ユニプレス(5949)東証1部
車体プレス部品大手メーカー、日産自向け依存度84%
自動車用プレス最大手。自動車用車体部品、トランスミッションのプレス加工、樹脂製部品のプレスを展開。日産向けが87%。純利益は連続で最高益更新中。19.3期3Q営業利益は市場コンセンサスを18億円下ブレ。 記:2019/02/16
車体プレス部品大手メーカー、日産自向け依存度84%
自動車用プレス最大手。自動車用車体部品、トランスミッションのプレス加工、樹脂製部品のプレスを展開。日産向けが87%。純利益は連続で最高益更新中。19.3期3Q営業利益は市場コンセンサスを18億円下ブレ。 記:2019/02/16