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金融庁は31日、2019年度の税制改正要望を発表した。個人投資家が相続した株式を3年以内に売却する場合に限り、売却益から相続税負担分を差し引いて課税する優遇制度について、年限を撤廃するよう求めた。相続株式の早期売却を助長している税制を見直し、株式を長期保有しやすくする狙いだ。 株式を相続する場合、その時の株価に応じて相続税が課税される。現行制度では、相続株式を3年以内に売却すれば、売却益から相続税負担分を除いた額に所得税が課されるが、3年を超えると相続税分は考慮されず、所得税負担が重くなる。このため、早期の株式売却を促す格好となり、長期の資産形成を妨げているとの指摘がある。 そのほか、税制要望では、長期の資産形成を促す少額非課税投資制度「つみたてNISA(ニーサ)」について、遅れて投資を開始した場合でも20年間の積立期間を確保するため、37年までとしている制度の期限延長を盛り込んだ。 金融庁は同日、19年度の機構・定員要求も発表。定員は34人の増員(純増は22人)を要請した。仮想通貨交換業大手コインチェック(東京)で起きた仮想通貨の巨額流出問題などを踏まえ、交換業者への検査・監督人員を12人増やすことなどを求めた。