2017/3/31 8:19 FISCO 【日経新聞1面】必要資金を上回る金額提示企業の存在はポジティブも、6月下旬までは依然不透明感
必要資金を上回る金額提示企業の存在はポジティブも、6月下旬までは依然不透明感~東芝、難路の半導体売却交渉、分社を決議技術流出の防止課題、米社が2兆円提示東芝<6502>は30日、臨時株主総会を開催し、半導体メモリー事業の分社を決議。世界シェア2位の同事業への関心は高く、米社から2兆円の買収提案があったことが同日、判明したと報じられている。先端技術の流出を防ぎつつ、早期の高値売却を探るが、この先の道も平たんではないようだ。 半導体メモリー事業は、4月1日付で新会社「東芝メモリ」としてスタートを切る。スマホやデータセンターなどに使われる東芝の半導体メモリーは世界シェアが19.4%で、韓国サムスン電子(世界シェア30.8%)に次ぐ2番手で、これまで複数企業が支援を表明している。 その中でも、米投資ファンドのシルバーレイク・パートナーズ、米半導体大手のブロードコムが2兆円程度と高い買収額を示したことが報じられた。シルバーレイクは米IT(情報技術)大手デル・テクノロジーズに出資しており相乗効果が見込める。一方、ブロードコムは企業向け通信機器用半導体をまとめて取り込む狙いとされている。 東芝は3月末には6200億円前後の債務超過となる見込みで、その穴埋めに半導体メモリー売却が不可欠だ。メモリー事業の純資産は5千億~6千億円程度とみられ、必要売却益を得るには1兆5千億円程度で売却することが直近の目標となる。 必要資金を上回る2兆円程度の金額を提示した企業があることはストレートにポジティブ視されよう。また、支援可能性が報じられていた日本政策投資銀行と官民ファンドの産業革新機構は28日、入札不参加を決定した。ただし、軍事や外交上の機密情報の漏洩リスクを低減したいとの政府の意向もあり、安全保障上の重要パートナーである米企業と共同出資する案を軸に検討を進めているとされている。そのため、2兆円を提示した2企業であればこの点からも売却がスムーズに進みやすいとの思惑も生まれやすいだろう。 ただし、東芝は4月以降、技術流出対策や雇用計画も含め、候補企業を絞って2次入札に入り、6月下旬の定時株主総会前までには売却先を決定すると見られており、現時点では積極的に向かいにくい側面もあろう。
関連銘柄 3件
・東芝(6502)東証1部
政府系の支援報道
総合電機大手の一角。半導体など子会社の売却を進める。17.3期3Q決算は及び通期業績予想の修正に関しては、3月中旬までに発表予定。原発事業では、コスト増加などが影響しのれん合計として7125億円を見込む。 記:2017/02/28
政府系の支援報道
総合電機大手の一角。半導体など子会社の売却を進める。17.3期3Q決算は及び通期業績予想の修正に関しては、3月中旬までに発表予定。原発事業では、コスト増加などが影響しのれん合計として7125億円を見込む。 記:2017/02/28
・三井住友フィナンシャルグループ(8316)東証1部
主力行
三井住友銀行やSMBC日興証券などの持株会社。17.3期までの中計では、連結ROE10%程度、連結粗利益成長率15%程度などを掲げる。前期の海外会社の減損や引当金減少。政策保有株の売却進め最終増益確保へ。 記:2017/02/28
主力行
三井住友銀行やSMBC日興証券などの持株会社。17.3期までの中計では、連結ROE10%程度、連結粗利益成長率15%程度などを掲げる。前期の海外会社の減損や引当金減少。政策保有株の売却進め最終増益確保へ。 記:2017/02/28
・三井住友トラスト・ホールディングス(8309)東証1部
東芝向けエクスポージャー
中央三井トラストHDと住友信託が経営統合で発足。信託業務中心に資産運用・管理も行う。米シティのカード事業を買収。ゆうちょ銀と投信開発で業務提携。連結子会社の寄与、与信関係費用の改善で17.3期3Qは増益。 記:2017/03/14
東芝向けエクスポージャー
中央三井トラストHDと住友信託が経営統合で発足。信託業務中心に資産運用・管理も行う。米シティのカード事業を買収。ゆうちょ銀と投信開発で業務提携。連結子会社の寄与、与信関係費用の改善で17.3期3Qは増益。 記:2017/03/14