日本株が徐々に底練りの動きを強めている。23日の日経平均株価は前日のNY高に支援され、午前9時24分に1万6350円まで上昇。その後は戻り売りに押されて再びマイナス圏に沈んだものの、先物主導でかく乱された前週半ばまでのような不安定なムードは後退している。 機関投資家が米国株運用のベンチマークとして用いているS&P500種指数について、大和証券は「日足チャートで見ると、ダブルボトムのチャートパターンが完成しつつあるといえる」と23日付リポートで指摘。日経平均が1万4952円まで突っ込んだ2月12日時点で予想PER12.9倍、東証1部上場銘柄平均のPBR(株価純資産倍率)が1.01倍と2013年以降では最低値(別表参照)をマークしただけに、過度な悲観論や警戒論に流されることなく冷静に臨む局面だ。日経平均は25日移動平均線の1万6586円(23日現在)を更新すると、相場は短期的な関門を超える。ファナック<6954.T>はいち早く22日にこのラインを突破した。 需給面での注目点は海外投資家動向と、高水準をキープしているカラ売り比率に絡む動きだ。東証の発表によれば、外国人投資家は今年に入ってから2月第2週まで都合2兆2403億円の売り越しを記録。特に2月に入ってから第1週が6112億円、第2週は5735億円のそれぞれ大量の売り越しとなり、売買代金に占める外国人投資家の売買シェアは75.3%(2月第2週)と、全体の「4分の3」を占める記録的な高水準に達している。これに対して、個人投資家のシェアは現物、信用合わせて16.2%(同)。逆張り狙いの感覚で個人は機敏に動いているとはいえ、力の差は圧倒的だ。 <週末のG20が焦点に> 大型ダンプカーのように突進してくるヘッジファンドなど外国人投資家が「売り後退・終息」から「買い転換」に向かうかどうか、そのカギを握るのは為替や原油動向、G20(主要20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議など大イベントの動きだ。前週後半以降、海外の年金ファンドをはじめとする中・長期の資金が下値に流入しているもよう。G20の結果いかんでは、「ダンプカー」は向きを代えて走りだす可能性がある。 一方、東証が日々、発表しているカラ売り比率は22日現在、41.5%(ピークは昨年9月29日の43.4%)。依然、高い水準にある。業種別では石油・石炭、非鉄金属が50%前後と高い。売り方の買い戻しを意識する段階に入るだろう。 <2000年以降の安値局面における主な指標> 日経平均 予想PER PBR 配当利回り 08年3月17日 1万1787円 13.2倍 1.26倍 1.8% 08年10月27日 7162円 9.5倍 0.83倍 3.0% 09年3月10日 7054円 68.0倍 0.80倍 2.5% 09年11月27日 9081円 31.0倍 1.07倍 1.9% 10年8月31日 8824円 15.2倍 1.01倍 2.1% 11年3月15日 8605円 13.0倍 0.96倍 2.3% 11年11月25日 8160円 13.6倍 0.88倍 2.3% 12年6月4日 8295円 10.5倍 0.85倍 2.5% 13年6月13日 1万2445円 14.0倍 1.22倍 1.9% 14年2月4日 1万4008円 14.0倍 1.28倍 1.7% 14年4月14日 1万3910円 13.6倍 1.27倍 1.8% 14年10月17日 1万4532円 13.9倍 1.20倍 1.8% 15年1月14日 1万6795円 15.3倍 1.38倍 1.6% 15年7月8日 1万9737円 15.5倍 1.38倍 1.6% 15年8月25日 1万7806円 15.5倍 1.38倍 1.7% 15年9月29日 1万6930円 13.3倍 1.20倍 1.4% 16年2月12日 1万4952円 12.9倍 1.01倍 2.0% PERは日経平均225ベース。 PBR、配当利回りは東証1部全上場銘柄の単純平均ベース
出典:時事通信
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