時事通信 東証1部上場企業のうち、2013年9月中間配当を前年同期より増やすのは290 社で、全体の2割強に上ることが9日、時事通信社の集計で分かった。安倍政権の経済政策「アベノ ミクス」効果による円安などで企業業績が改善したため、株主に還元する姿勢が強まっている。 集計対象は、3月期連結決算を公表している東証1部上場企業1300社。そのうち配当予想を 「未定」としている24社が前年と同水準の配当を行った場合、配当総額は前年同期比3.5%増の 2兆3,330億円。「未定」にはトヨタ自動車(7203)など配当額の大きな企業も含まれるため、配当総額 がさらに拡大する可能性もある。増配企業の中には、円安で業績回復が著しい自動車や自動車部品メ ーカーが目立つ。また、株価上昇の恩恵で9月中間業績が急速に改善する証券は、東海東京フィナン シャル・ホールディングス(8616)が4.5倍の18円にするなど大幅増が相次ぐ。 前年同期に無配だっ たが、今年は中間配当を実施するのは32社。三菱マテリアル(5711)はリーマン・ショック直後の 08年以来の中間配当復活となる。兼松(8020)は15年ぶりの復配。カシオ計算機)(6952)は上場以来初 めて中間配当を行う。昨年来の株価上昇に加え、来年からは個人向け少額投資非課税制度(NIS A)が導入される。公的年金の運用でも今後、株式投資の比率が拡大する可能性があり、高配当銘 柄への投資家への注目が高まっている。企業もこうした動きに対応するため、「配当性向を高める 動きが続く」(大和証券の守田誠ストラテジスト)見通しだ。 ◇主な企業の9月中間配当 13年9月中間 12年9月中間 三菱電機 6 5 富士重工業 10 5 デンソー 34 27 東海東京フィナンシャル ・ホールディングス 18 4 三菱UFJフィナンシャル ・グループ 7 6 パナソニック 5 0 2年ぶり 三菱マテリアル 2 0 5年ぶり 兼松 1.5 0 15年ぶり カシオ計算機 10 ― 初めて中間配当を導入 (注)単位1株当たり円、13年9月中間は予想、12年9月中間は実績