夫婦2人で、
息子の上司、
直接の上司よりももっとお偉いさん2人に会ってきた。
行く前に、ワタシはずっと、
この面談の目的について考えていた。
ワタシは息子をよく知る直接の上司に会って、
息子のどんなところが欠けているのか、
親目線ではない、社会人としての息子の資質の足りない部分を知りたいために、話を聞きたかったのだ。
息子が次の仕事に就いたときに、
同じ間違いをしないように。
失敗を成功の糧にするために。
ところが、
もっとお偉いさんが話をすることになった。
実際の息子の様子はあまり知らないかもしれないではないか。
ワタシが行く意味があるのか?
とりあえず、
旦那が暴走しないように、
息子が、
モンペのような親を恥じないように、
振る舞いに気をつけようと思って付いて行った。
行く前に少し時間があったので、
旦那と落ち合ってから、
喫茶店で語った。
旦那が言うに、
人間は逃げ道が必要だと言う。
〈仕事ができなくて耐えきれずに辞めた負け犬〉と息子が自分のことを捉えるか、
〈自分で選んで辞めた負け犬〉と捉えるのでは、
今後の誇りの持ち方が違う、
と旦那は言う。
それもそうだよな。
惨めさ、は、変わってくるのかもしれない。
ワタシは旦那の言うとおりにしたほうがいいと思った。
もう一度、復職の意思はないか、聞いてもらってから自分で決意して、この話を蹴る、
そういう形にしたほうが、
息子も、
〈自分で決めたんだ〉
という誇りが残るだろう。
息子から話を聞いた感じでは、
細かいことを表現できるコではないので、
なんだか、
〈発達障害の落ちこぼれが辞めてくれるのはこれ幸い〉
という職場に見えたのだが、
実際にお偉いさん2人に聞いた話はちょっと違った。
長期休職中の人が1人いるし、
休暇を取っている職員もあと2人いるのだ。
息子の話も直接の上司がよく聞いてくれたらしいし、
その報告をこのお2人はよく把握していた。
辞めてもかまわないよ、
なんて上から目線で息子と接してきたわけではないようだ。
息子がこの仕事を続けていく上で、
ずっと辛い苦しい思いならば、
それは本人のためになるのだろうか?
という思いで、
息子の退職を受け入れたようなのだ。
今までもそういう人はいたのだそうだ。
息子だけじゃなかった。
息子は粗末に扱われたワケではなかった。
そのことを知ったときは、なんだか救われた。
旦那も笑顔になった。
旦那がお偉いさんに向かってほとんど一方的に喋った。
今までの息子の様子や、息子がどんなに頑張ってきたかを。
クドく話したワケではなかったが、
親の情の部分を話した。
もちろんどれだけお世話になったか、という感謝も伝えていた。
ワタシは、
これだけは、
と思って、
口を挟んだ。
息子はこうして両親がここに来たことを、恥ずかしいと思っています、
辞めると言ったことは、
彼なりの、父親からの自立の表明でもあるんです、
今息子は神経症みたいになっています、
このままの精神では、どこへ行っても務まるとは思いません、
この仕事を続けないとしても、医療的なケアも必要かと思っているところです、
と伝えた。
旦那はワタシの話をたまに、
オマエは黙っとけ、
と2、3度遮った。
ワタシは、
夫婦で意見を揃えてから話を聞きにくるべきなんですが、
とお偉いさんに謝った。
この誠実そうな、モノをよくわかっているような感じの、
比較的まだ若いお偉いさんのお2人に、
ワタシが言いたいことは伝わっただろうか。
愛に溢れた、情で話をしたい旦那と、
具体的に解決策を考えたいワタシ。
我が家の雰囲気は伝わっただろうか。
読者のみなさんにも。
息子に過保護、過干渉なんだよな、旦那は。
(ワタシだってそうなんだけど。)
実は、
ワタシは、
旦那が、愛という期待で息子を追い詰めているんじゃないかと思っていること、
この愛ゆえに苦しんできた息子の、
父親である男を、
上司たちに諌めてもらいたい気持ちもあることが、
伝わっただろうか。
これを書いているうちに整理できた、
ワタシの本音なんだけれど。
お偉いさんお2人は、
息子にもう一度話を聞くと約束してくださった。
旦那はまどろっこしく話をして、
〈息子のプライドを守るために構ってやってください〉
と、
ストレートにお願いしたという形はとらずに、
息子の職場のお偉いさんに約束させた。
ワタシ、
本当に、
心の底から、
旦那を尊敬はできない。
息子のためを思って、
みたいな、
旦那の、
あくどさ、
も感じてしまうのよねぇ。
旦那もわかってやっているんだけど。
ストレートにお願いしたらいいじゃないのよ、
という思いが拭えない。
そして息子に話の内容は黙っていろ、
とワタシに口止めをした。
うまく伝わるかわからないけれど、
この、物事を操作したろ、
という感じもキライだ。
結局旦那の悪口が言いたい記事なのかしらねw
まあ、行って気が済みました。
本当に相手を思う、って、
けっこう難しいことで、
親は、
たまにクールダウンしたほうがいいよね。
ワタシも旦那を諌めるべきなのかもしれない。
けれど、
息子自身が父親に、
イヤだと思ったことは、
反抗して戦ったほうがいいと思う。
もちろんワタシに対しても、そうしたらいい。
それが自分を大切にすることだと思う。
自分の人生を生きるということだと思う。
すごく伝わりづらい、
わかりにくいこと書いちゃってごめんなさいね。
息子の出来なささを心配して、
世の中は冷たい、と嘆いた方には、
世界は意外と優しかった、
息子は充分に愛されていた、
ということを伝えられたらな、
と思います。
ワタシと旦那は、
息子がどうこうじゃなくて、
親としてのあり方、を、
模索する日々は続きます。