軽度難聴 まだ笑い飛ばせないハナシ | 奥歯にものは挟まずに

奥歯にものは挟まずに

認知症の義母をきっかけに、ふざけたブログを書き出して、
義母を見送りました。
イケてて笑える(笑われる)ババアを目指して、日々の暮らしを綴ります。

ワタシは5年くらい前から、耳の聞こえが悪くなった。
耳鼻科に通ったが、これといって改善はしない。
結局補聴器を買った。

感音性難聴の、軽度難聴だ。
ヒソヒソ声は、ちょっと離れると何を言っているかわからない。
一対一で話すのはいいのだが、ガサガサしたところだと、聞きとりにくくなる。

テレビは、「さんま御殿」みたいな番組は苦手。
大勢がワイワイ喋っている番組は、発言の内容がよくわからなかったりする。
でもテレビの音は、補聴器はよく拾うので、補聴器を着けさえすれば、困らない。
家族は理解してくれているし、自分からテレビに近づくか、ボリュームを上げればいいだけだからだ。
そんなにテレビを見たいとも思わないし。


今の職場は、広いフロアで、
50畳はあるかな、
なんとなく楕円に集まって朝礼があるが、楕円の端っこにいると、何を言っているかわからない。
補聴器を着けていても。

昼休みの休憩所で、30人くらいでワイワイ雑談しながらご飯を食べる。
補聴器は、離れている人の大きな笑い声をことさら拾い、
隣に座っている人の小さな声は、大きな笑い声にかき消されて、
かえって聞こえにくくなり、
雑談もしにくくなる。
え?
え?
と何度も聞きかえすのも気が引けるからだ。
耳の遠い人はめんどくさい。
ワタシ自身がそう思ってしまう。
で結局、テキトーにあいづちを打ち、にっこり笑うだけになる。

補聴器をつけたからといって、バラ色の世界ではない。
人の声より、機械の音などをよく拾うからだ。
小さな声を聞き取ろうとして集音のボリュームを上げると、アイロンのスチームの音などがシューシューとやかましくなる。
買うときに、聞きとりやすいように補聴器の調整はしてもらったのだけれど、それでも、普通の耳のようにはいかない。

話している人に近づけばよいのだが、
人にはパーソナルスペースというものがあり、
やたらと近寄ってくる人はキショク悪いw

コミュニケーション。
人は、たいてい言葉を使って仕事をする。
今ワタシは新しい職場で、新しい人間関係で、少しだけ不便に働いている。

耳が悪いことを、どうやってカミングアウトしようかと考える。
なんとなく言いにくい。
恥ずかしいのもあるが、
「ワタシはこんな病気なんだから、そっちがワタシをいたわれ」
と要求しているような感じもある気がして。

人はみんな意地悪なもの、
という前提が、
ワタシの中にあるのだろうなぁ。
そんなことないんだけれど。


自分から見て、
変わった人、ヘンなヤツ、を、
バカにしたり笑ったり。
ワタシもよくやるけれど、
もしかしてそこには、
ワタシが耳が悪いような、
何か理由があるのかもしれない。

優しい人、許せる人になりたいものだよ。


チキショウ補聴器。
両耳で18万もするくせに。
ちっ。


いっそのこと、
なんでもかんでも、
「あんだってぇ?」と、
昔、志村けんがやっていたババアのように、
聞き返してしまおうかと思ったりもしている。