お義母さま宅にも寄ってきました。
お義母さまねぇ、
久しぶりの悪魔降臨ですわ。
不穏ですね。
10日ほど前、お義母さまは狭心症の発作を起こした。
私と息子が行き、絶対に入院はしないとすったもんだした。
かかりつけ医、ケアマネと相談の上、自宅で倒れても承知の上で、独居在宅介護でやっていくことに決めた。
昨日の夕方5時くらいにお義母さまから我が家に電話がかかってきまして。
ワタシは買い物に出かけて留守だったんですが、息子が出ました。
息子のハナシだと、
宅配弁当の配達員が勝手に家にあがりこみ、
迷惑だ。
ワタシら夫婦が頼んでいるのか?
だったら断ってもらいたい。
と、
不機嫌だったようです。
お義母さまはテーブルにセットしないと食べないから、上がってセットしてもらうようにお願いしているのだが、
いつもの女性配達員ではなく、男性だったようだ。
ワタシたちは、
忘れてくれたらいいんだけどね、
と話して朝を迎えた。
さて翌日の今日、お義母さまの愛犬チビを連れ、レンタカーで寺まで行き、お焼香して卒塔婆をもらい、墓を掃除して手をあわせ、
お義母さま宅まで行きました。
最初は良かった。
みんなでニコニコと寿司を食べていた。
すると訪問看護師の方がいらした。
ワタシが箸を置いて応対したのだが、
この時点で、
ワタシ、つまり嫁が勝手に上がる許可を出した、
と、お義母さまは不機嫌になっていた。
ワタシはあまり気がつかなかったのだが、昨日の宅配弁当の件で、
家に人が来ることが煩わしい、
なんだかイライラする、
私の知らないところで物事が決められていく、
とお義母さまは感じていたようだ。
訪問看護師は、お義母さまが食事中だから、あと1時間後にまた来ます、
と一旦去った。
お義母さまよりずっと早く、ワタシら家族がお寿司を食べ終わると、
まず旦那が6人がけのテーブルの横の絨毯に横になり、ワタシも眠くなって、横たわった。
息子も眠いと言ったので、
お義母さまは、息子やワタシたちに、二階で寝ておいで、と言う。
待て待て待て。
二階は40度くらいありそうなんだけど。
二階にクーラーがある、とお義母さまは言う。
ねぇよ。
息子は古い壊れかけたクーラーのある仏間に寝に行った。
ほったらかされたお義母さまは、たぶん、ますますイライラしたのだろう。
ワタシが30分ほどウトウトして目を覚まし、
お寿司のパックやビールのコップを片付けていると、
「言わんとこと思ってんけどね、300万無くなってしまってんねん。
あんたたちやろ。」
と、お決まりの物取られ妄想が。
ワタシはとぼけながらふんふんと話しを聞いていた。
話はあちこちに飛び、お義母さまはけっこうな暴言を吐いた。
息子の脱毛症のことも、
「みっともない」
と言っていた。
するとそこへ訪問看護師さんが再びやってきた。
ワタシはお義母さまに気を使って、家に上がってもらうの?
と一応声をかけてから入ってもらった。
お義母さまは不穏なままで、
看護師さんにつっかかる。
なんのために毎日来はるんですか?
ワタシは赤十字を出てるんですから、あなたよりも知ってます、あなたは新米やね、
○○○(ワタシの名前、呼び捨て)に頼まれてるんですか?
よう来ていりません。
請求は今息子夫婦がおりますから払ってもらってください。
触らんとってくださいますか。
私のこと、頭の病気だと思ってるんでっしゃろ?
どうぞ病院に帰ってみなさんに報告してくれますか?
好きなように言うたらよろし。
などと、
イーっと言いそうな口ぶり&態度w
かわいくねぇーw
(嫁、つまりワタシは、お義母さまの頭の病気、という言葉に、
なかなか鋭いじゃない、そういうところが認知症ってホント、ナゾな病気よなぁ、と思いながら、黙って聞いている。)
お義母さまはそう突っかかりながらも、ちゃんと薬を飲ませてもらっていた。
訪問看護師さんは、慣れてはいるだろうが、ニコニコしながらもムっとしているようだった。
ワタシと訪問看護師さんはリビングから出て、廊下でハナシをした。
ワタシはまずお詫びし、
四年前に我が家に連れてきたときは、もっと激しく不穏、暴言だったことなどを話し、
今かなり心臓が弱っているが、だからといって同居はキツイ、圧迫骨折で入院した時も、ずっと観察室にいたんです、夜になると不穏になって、看護師さんたちを困らせていました、
と伝えた。
看護師さんは、実際に不穏の状態を目にするのは、私は初めてです、と言っていた。
旦那はかなりイライラしながら、ジッとガマンして、一言も発せずにいた。
看護師さんが帰る時に、
すみませんでした、と頭を下げていた。
旦那は看護師さんが帰るなり、
帰るぞ、とワタシたちに声をかけた。
ブスっとしたまま座っているお義母さまに、
ワタシだけ、
「また来るねー」
と声をかけ、
犬を連れ、荷物を持って家を出た。
お義母さまはうんともすんとも言わなかった。
帰り道の車中で、
旦那は、
オレが怒鳴らなかっただけ成長したわ、
と自嘲気味に口にする。
悲しいのは旦那だよなぁ。
お義母さまの心臓が弱っていなかったら、
旦那は本当はお墓に連れて行きたかったのだ。
外食もさせてあげたかったのだ。
旦那は、
「いくら認知症でも言うたらあかんことはあかんやんか。」と言う。
「wwwそれができなくなるのが認知症やんかw」
とワタシは言った。
旦那の立場としては、
血の繋がった身内として、憤るしかないのだろう。
お義母さまの心臓は、かなり悪い。
可愛らしいお年寄りの顔を見せて亡くなっていくのか、
それとも誇り高き孤高のババアとして亡くなっていくのか。
どちゃでもよろしよ。
ワタシは嫁だから、どちゃでもよろし。
お義母さま、
どちらの顔を、どういった間柄の人に、どれだけ見せるかで、
葬式の時のみんなの涙の量が、
変わってきますよぅー。
…ああ神さま、
良きにはからいたまえ。