阿藤快さんの口ぐせでしたね | 奥歯にものは挟まずに

奥歯にものは挟まずに

認知症の義母をきっかけに、ふざけたブログを書き出して、
義母を見送りました。
イケてて笑える(笑われる)ババアを目指して、日々の暮らしを綴ります。

お義母さま宅へ行ってきました。

宅配弁当と、
病院への支払いを、
いつものように済ませました。


いつものように、
お義母さまとおしゃべりします。
会話していると、
お義母さまの、実家のハナシになりました。

お義母さまの生家は、
アタシは行ったこともないし、
よく知らないのですが、
たしか、
お義母さまの兄弟の末娘、
ともちゃん、
と呼ばれている方が、
あとを継いでいるはずです。
それか、
50代で亡くなったお義母さまのすぐ下の弟さん、
長男である、トシくん、と呼ばれる方の、
子供たちが住んでいるかもしれません。

もちろんお義母さまの記憶の中にある建物ではなく、建て替えたりしていることでしょう。
当時は広い敷地に、
母屋と、
借家が7軒あったそうです。


お義母さまは、
「あの家に、今は誰が住んでいるのかね?
もしかして◯坊(旦那、つまりお義母さまの嫡子の長男の愛称)にも、(いつか相続の)お金か家がもらえるんとちがう?」
とおっしゃいました。

アタシは、
それはないわ、
と言いたいところをこらえて、
「アタシはあんまり、よく知らないねん。」
と答えつつ、

お義母さまの兄弟を、

「1番上が なーさん、でしょ。
                   ↑
( 生死不明。30代から精神病院にいると聞いた。)

次が、はつしばさん、でしょ、
                ↑
( 年子の姉。最近はもうヤバイんじゃないかな。)

次がお義母さんで、

次がトシくん。
早くに亡くなってるねんで。

んで、きよっちゃん。
            ↑
(去年の6月に忌逝。お義母さまは忘れてしまいました。)

そんで、ともちゃんやろ?
                 ↑
(咽頭ガンで声帯を取り、もう話すことができません。)」
と、
説明のように、
お義母さまが思いだしてくださるよう話しました。

「そやったかいな?」
と、
お義母さまはなんだか兄弟の記憶も曖昧になっておりました。


…だいぶボケが進んだな…。


そしてアタシが、
仕事に行くからね、
と、
スーツスタイルでサヨナラを告げると、
お義母さまは、
アタシのスーツスタイルに気がつき、
「黒やけど、しゅっとしてるわ、におてるよ。」
と褒めてくださいました。


…うん、
褒められてまんざらでもないけども、

認知症ってさ、
どーしてこうなんでしょうねぇ。

自分の兄弟とか、今の状況とか、
当たり前の、
大前提の記憶がごちゃごちゃになるのに、
アタシが着ている服を認識しているんですよねぇ。
そしてイッパシのことを言うんですわ。

なんだかなー。
(アタシやヘルパーさんは、お義母さまに、着ている服にダメ出しをされますからね。)


当たり前のことが曖昧になって、
どうでもいいことがスルドくなる。

認知症ってほんと、

なんだかなー、

ですわ。


この理解力のアンバランスさが、
認知症患者にイラッとする元凶なんですわ。


わかりますよねぇ、
認知症患者に接したことがある方には、
ね。
まあお義母さまは、今に始まったことではないので、
イラッとするというよりは、
ほんと、

なんだかなー。
です。