いつものように、お義母さま宅に行きました。
到着は午前11時。
駅に着いて、まず先に、宅配弁当の代金を振り込みました。
お寿司と豚汁用材料を買って、お義母さま宅に到着。
アタシが調理していると、
ヘルパーさんがやってきました。
訪問看護師さんも。
以前に圧迫骨折をしたお義母さまは、痛み止めのロキソニンと、胃腸を守るレパミピドを飲んでいるので、訪問看護師さんが薬を持ってきてくださったのです。
ヘルパーさんも訪問看護師さんも、バイタルチェックをしてくださいました。
この時、血圧、脈拍、は異常なしでした。
お2人とも帰っていかれ、
お昼御飯をアタシと2人で食べて、
アタシはお義母さまから直接見えないところで、せっせと、ヘルパーさんが事業所に提出する、複写になった用紙に、ハンコを押していました。
ガタンと音がして、
お義母さまの方を見ると、
手がだらんとなって、首にも力がなく、イスに座ったまま、のけぞるような体勢になっています。
「お義母さんっ」とアタシは動転して近寄りました。
「今救急車を呼ぶからっ。
まだ逝かないでっ。
ダメだからっ。」
と、お義母さまの頭を抱えながら、ちょっと離れている電話に、近寄るべきか、頭を支えるべきか逡巡し、お義母さまの頭をそっとイスの背の壁に預けました。
お義母さんはもぐもぐと口を動かし、
呼ばなくていい、
とかすかに言いました。
そして苦しそうではなかったけれど、
深く目を閉じてしまいました。
ゲフゲフとゲップをし、息はしています。
体は力のないままです。
アタシは慌てて119番しました。
アタシは2メートルほど離れたお義母さまを見ながら、
電話口で動転しながら、住所を説明しました。
救急車が出払っていて、まず消防車で訪問し、その後に近隣から応援の救急車が来る、と説明を受けている間に、消防士3名がやってきました。
消防士はお義母さまに声をかけます。
お義母さまはすでに意識を取り戻し、問いかけに答えています。
イスに座ったまま動かされ、ベッドに寝かされました。
お義母さまは、救急車はイヤ、はよお迎えが来てくれたらそんでええのに、
と、
いつもよりか弱い声で呟き、
私も消防士たちもクスッと笑います。
消防士さんは、
「まだ早いんと違うかなw
障害が残っても困るから、お医者さんに見てもらおうね。」
と優しく諭します。
それから五分後くらいに、救急車が到着しました。
さらに3名の消防士がやってきました。
アタシは消防士に指示されたように、お義母さまの上着と履き物をもち、戸締りをしました。
お義母さまは救急車に乗せられ、アタシは既往歴などを聞かれました。
心電図を取られています。
お義母さまは、ぼうっとした顔はしているものの、救急車の窓から見えた、道にせり出している、自分の家の敷地のススキを切らなくては、などと言っています。
あー大丈夫だな、きっとこのまま入院はないな。それこそお迎えは来ないわ。
と、アタシは確信しながら、
お義母さまの手を握り、話しながら、
けっこう距離のある病院に到着しました。
お義母さまは医師に訪ねられたことにキチンと答えています。
「なんで連絡するのん。入院はイヤやで。」
「お義母さん、意識なかってんで。
あれで救急車を呼ばんかったら、
見殺し、やわ、わたしようせんよw」
その場にいた看護師と医師は笑いました。
お義母さまは心電図のみ検査され、
医師は、
不正脈はあるけれど、意識がなくなったのは、心臓からくるものではなく、自律神経の働きがおかしくなって、リラックスしすぎた状態、だと思われますよ。
お年寄りにはよくあることです。
これといった治療はないです。
主治医がいらっしゃるようなので、ご相談くださいね。
てなことを説明してくれた。
病院でお義母さまを待っているあいだに、
旦那(お義母さまの嫡子の長男)にメールを入れた。
ケアマネには電話した。
支払いは410円。
なんて良い国だ。
タクシーで30分ほどかけて帰ってきました。
途中でお義母さまは戻しました。
手元にたまたまあった薬の袋を使えたから、なんとかなったけど。
帰宅してすぐにケアマネが様子を見に来てくださいました。
緊急連絡、ボタンを押すだけの、行政のサービスの説明をして、
明日のデイサービスは変わりなく行けると指示して帰っていかれました。
メールを見た旦那から電話があり、説明しました。
ケアマネから連絡を受けた訪問看護師も来てくださいました。
脱水症状が見られること、酸素が89%と低いこと、
最悪、24時間以内に、同じような発作を起こす可能性もあること、脱水症状を放っておくと、内臓にダメージがあると教えてくださったので、
アタシは泊まることにしました。
お義母さまは7時過ぎに寝ました。
お義母さまは、
アタシが風邪をひかないように気をつけて、
暖房や布団を出してね、
と、ちゃんと心配りをしてくれましたよ。
お義母さまの愛犬チビがかじったボロくて臭い毛布とコタツ布団を仏間にひきました。
服のまま、ガスストーブをつけて寝ようっと。
まだ、
お義母さまにお迎えは来ません。
w
がんばろっか、お義母さま。
もう少しあがこうか。
でもあのときは焦ったわ。
逝ってしまうかと思った。
「ねえお義母さん、みんなに心の準備をさせてよ。
病院で、弱って、もうダメなんだな、って諦めがついてからにしてな。
それがいちばんエエよ。」
「そうなんかなぁ。」
セキララな嫁姑ですわ。
皆さま、おやすみなさい。