旦那がお義母さま宅に通うようになって、6、7年は経った。
お義母さまは同じ話を何度もするようになっていた。
ちょいちょいおかしなことも言い出した。
お義母さまの家の中が、不潔になってきた。ホコリが溜まっている。
掃除をこまめに出来なくなっていた。
お義母さまは80だし、年寄りというものはそういうものかと、旦那も私も、気がつかなかった。
2年前の10月のはじめに、旦那はいつものようにお義母さま宅へ出かけた。
お義母さまは、昨日階段から、2段ほど滑り落ちたのだ、と旦那に言った。
その日は庭師さんに庭の剪定をしてもらい、旦那はその様子や、お義母さまが切り落とされた枝や葉を、せっせと片付ける姿を見ていた。
それから2日ほど経ったであろうか、お義母さまが、腰が痛くて歩けない、あんた(息子)、今すぐ家に来て!
と、怒りながら連絡してきた。
旦那はムカつきながらお義母さまに対応した。
俺は仕事を簡単に休めないのだ。
元気にしていたではないか。
また、自分の気分で、人を呼びつけやがって。(お隣Oさんとの敷地のトラブルで、旦那はお義母さまの態度に辟易していた。)
旦那は仕方なくお義母さま宅へ行き、お義母さまを近所の整形外科に連れて行った。
旦那もお義母さまの様子がおかしいことに気がついた。
お義母さまからは、まだ腰が痛い、自宅に手持ちの現金もなくなった、と連絡が来た。
そしてお義姉さんにも、お義母さまは、パンツを買ってこい!と電話をしていた。
ただならぬ気配を感じて、アタシはお義母さま宅へ行くことにした。
お義姉さんと連絡を取り、お義母さま宅で落ち合うことになった。
アタシも旦那も、うすうす、お義母さまが認知症になったのだ、と感じていた。
アタシはネットなどで調べて、
地域包括支援センター、へ行かねばならぬ、と思った。