芦屋の奥様ごっこ | 奥歯にものは挟まずに

奥歯にものは挟まずに

認知症の義母をきっかけに、ふざけたブログを書き出して、
義母を見送りました。
イケてて笑える(笑われる)ババアを目指して、日々の暮らしを綴ります。

お義母さま宅へ行きました。
今日の大事なミッションは、お義母さま宅のゴミを、玄関先まで取りに来てもらうことの、お義母さま自身の了解を得ること。
役所から調査にやって来る日なのだ。

アタシが、これから役所から人が来ますよ、と伝えると、
アタシはお義母さまの見栄っぱりな言動に付き合わされた。
お庭が綺麗に見えるように、カーテンを開け、雨戸をきっちりと収納してくれ、と頼まれました。
スイカとメロンは冷やしてちょうだいね、と言われました。
(あの、何やったところで、ここん家臭いっすよw 嫁の本音w
お義母さま宅の飲み物食べ物なんて、だあれも口にしたくないですよw
アタシだけですよ、喜んだふりして食べるのはw)
まあ笑いながら言われたとうりにします。

やがて、役所から2人、半袖ワイシャツにスラックスのおじさんと、40代オフィスカジュアルの女性と、
ゴミ収集を請け負っている人であろう、
作業服の人、1人。
3人、約束の時間どうりにやって来た。
ケアマネは10分ほど遅れてやって来た。

お義母さまは、気分はお客様を迎える奥様で、
アタシはどうやら嫁という使用人のようだ。
口調が、明らかに普段と違う。
~でございますでしょ?
などとぬかしているw
 

アタシはこの役所の人たちにちょっとイラっとした。
だってお義母さまは認知症なのだ。
まともな説明がわからない人なのだ、お義母さまは。
自分の思い込みだけで生きている人なのだよ。

お義母さまは、市が配っているゴミ捨てのカレンダーと、
普通の、自分のウチのカレンダーと混同してたし、
この3人は、今までヘルパーさんがゴミを持っていってくれている事情など知りはしないから、
会話はかみ合わない。


あなたがたにゃあわかるまい…。
認知症がどんだけめんどくさいか…。

アタシはまどろっこしくなったので、
「こちらで説明しておきますから。(ニッコリ)」と話を遮った。
そのままお義母さまに話し続けさせると、あなたがた、あと一時間帰れないわよ。

アタシは必死に、目で、3人にむかって、複雑な表情をした。
この人は認知症なんです!と訴えかけた。

3人ともお義母さまのオハナシがめんどくさくなってきたようだw
お嫁さんに説明しておきますね、と言ってくれたw
さっさと気づいてちょーだいw


無事、玄関先までゴミを取りに来てもらうことになった。
3人はたたきで25分ほど立ち話をし、帰っていった。
マトモな人に説明するなら、絶対10分で終わるハナシなのに。
やれやれ…。

その後お義母さまはケアマネを家に招き入れ、思い込みの話をとうとうとしゃべっている。

アジサイの花を、全部誰かに切られてしまったんですのよ、
どう思わはります?
意地悪でしょう、こまりますねんわ。
お義母さまーっw
口調、口調!w
まだ口調が思いきりよそいきw
(見た目は山姥だけどw
乱れきった年末のパーマと、ロールアップした、薄汚れたブルーグレーのズボン履いてますからね。)

ケアマネは30分ほど、お義母さまのどーっでもいいハナシにお付き合いくださり、アイソ笑いをして帰っていった。


さー、アタシも帰ろうっと。 

お義母さまに、今日は人が来て、疲れたでしょ?と聞くと、
楽しかった、だってさー。
なんであれ、誰かに自分の話を聞いてもらうのは嬉しい人だから。



三文芝居は終わりだよー。
芦屋の奥様もどきの口調をしてみたところで、やっぱりお義母さまはボケた老女だし、家は臭いよ。



アタシのお昼ご飯を褒めちぎってくれたから、まあ許したるけどもな。