もの入れられ妄想 | 奥歯にものは挟まずに

奥歯にものは挟まずに

認知症の義母をきっかけに、ふざけたブログを書き出して、
義母を見送りました。
イケてて笑える(笑われる)ババアを目指して、日々の暮らしを綴ります。

認知症の症状に、もの盗られ妄想 というものがある。
身近な家族に、お金を盗られた、と思い込むのが典型的なパターン。(自分でしまって忘れることが原因である。)

あれは何年前からであろう。三年くらい前から、お義母さまは認知症に蝕まれていたのだ。

当時、旦那はお義母さま宅へ、月一度行き、食材を買い込んであげていた。(代金は本人払いw  でも孝行息子だと、アタシは思う。)
バカ犬(オシッコそこらじゅうにしたり、ホイホイチョコレート食べたり、アタシに異常に腰振るから。)のシャンプーもしたり。

その日帰宅した旦那から、お義母さまがおかしなことを言っていた、と聞いた。

2階の鏡台の引き出しを開けたら、見たこともない化粧品が、きちんと綺麗に並べて入っている。
もしかして○○ちゃん(アタシのこと)が来てくれて、引き出しに入れてくれたんじゃないの?
と。

ちがいます。

とある日には、新しいセーターがタンスに入っている、とか。

ちがいます。アタシじゃありません。

うーん、お義母さまの場合、
「もの入れられ妄想」だ。

今となっては、なんであの当時に気がつかなかったんだろう、と思う。
でも!
気がついたとしても、お義母さまが生きている間中、ずーっと未来を心配する日々が、長くなっただけだと思う。

もちろん今のお義母さまも、
水屋(関西で食器棚、もしくはキッチン周りの食料を入れてある場所をさす。)に缶詰が入っているんだけど、○○ちゃん(アタシ)か?と聞いてくる。
あー、それは○○さん(旦那)でしょ、
○○さん(ヘルパーさん)やわ、
と、差し支えないことは適当に答えている。

お金関係のことを聞かれると、アタシの鼓動は早まるが、
「○○さん(旦那)に聞いてみるよぅー」とか、
「こないだお義母さんがアタシたちにくれたんじゃなぁいー」
(出たで、小さいぁ、や、ぅ、がw)
と明るく言って、ごまかすことにしている。

こればっかりは妄想ではないからね。
(年老いた親の、爪に火をともす暮らしで貯めたお金を、こっそり引き出した、やや不届きもんの息子夫婦さ、何か文句あるんかい。)