息子は言葉が遅く、言葉の習得プロセスも定型発達の子とは違っていました
生まれたときから力が弱く、ハイハイもせず歩行は1歳半、
指差しをなかなかしない、など
あらゆる発達が常に周りの平均的な成長とはかけ離れてゆっくりでした
それでも、4歳手前で自閉症スペクトラムと初めて言われた時は信じがたく、
にわかには受け入れることが出来ませんでした
4歳4ヶ月のとき初めて受けた発達検査で、総じて1歳半の遅れと言われました
それから入学まで三回受けた発達検査、どれも結果は似ていて、凸凹が激しく、ことばと理解という項目が極端に低い、代わりに図形や積み木などは得意なので平均以上で、IQはいつも80に届かないくらいでした
一歳半の遅れ、ということを常に意識し、この子はまだ年少さんくらいなのに年長さんに混じって頑張っているんだ等考えて、日常を普通に過ごすだけでも常に大変なんだなと思うようにしてきました
また息子は、つらいこと、いやなことなどのネガティブなことを言葉や表情で表出することが苦手、ほとんど出来ないという特性があるゆえに、本当の気持ちはどうなんだろう、という目線も持つようにしてきました
(楽しいとか嬉しいという表現は人一倍できる、笑い上戸でもあります)
普通学級に行くか支援学級に行くか
いろんな人に意見を求めました
特に成長をずっと見てきた幼稚園の先生や、
福岡で半年間みてもらった療育の先生などには本当のところを聞きたかったのですが、
全員、う~ん…難しいですね、という答えでした
それは、そういうものなのかもしれません
支援学級がいいです、って言える権利がないと皆さん思われたのかもしれません
逆に、◯◯くんなら普通学級で大丈夫です、という言葉を半分期待していたのですが、それが無いということが、答えなのかなと思いました
福岡での就学相談の結果は、紙一枚が届いただけで、判断の根拠などは書かれていませんでした
(問い合わせれば聞けたかもしれませんが)、とにかく福岡市は人口が多く療育機関が圧倒的に足りていない、人員やハード面の不足で全く手が回っていないという現状がありました
そのことを知ったのは、福岡から東京に転勤で帰ってきて、東京の療育環境を知ったからなのですが
児童ひとりひとりに対応する時間も雲泥の差です
息子は支援学級判定がつくほどの子であるにも関わらず、福岡市では年少と年中では月に一度一時間の療育しか受けられませんでした
年長では月に二回一時間ずつ(個別と小集団一回ずつ) です
このことをこちらのママたちに話すと目を丸くされます
東京のわたしの住む市は、小さな市なので児童数も少ないために出来る、手厚さの違いがあるのかもしれません
東京では就学相談の結果は個別面談で時間をとって夫婦でじっくり聞きに行きました
そのときも担当者の方は、息子さんの場合は特に悩みましたが、という前置きをされました
でも、「ずっと、やる気を持続させられる方は支援学級だと思います」ということを強調されました
「勉強は出来なくても、友達と遊ぶのが楽しい、なんて子はいますし、そういう子は案外学校が楽しく通えるものなのですが、…」という言葉もありました
これは、支援学級に見学に行ったときに支援学級の先生もおっしゃっていたことです
メンタルの強さというか、
コミュニケーション能力の高さというか、
それがあれば特に低学年のうちは学力なんて関係ないようなもので過ごせるということです
でも、息子は同年齢の子とのコミュニケーションが小さい頃から苦手で、優しい面倒みのよい女の子としか関われない(大人のことは大好きで甘える)、同世代の遊びについていけない、ルールの理解が出来なかったり、運動能力がおいついていなかったり、その自信の無さもあって入れない、入れてもらえない、という子ですので、学校生活で友達とのコミュニケーションの心配は学力の心配以上のものがありました
いじめの対象になるのではないか、という心配もありました
わたしは一年生でも、いじめは存在すると思いますし、実際そういう経験をした保護者の方と知り合いです
社会で生きていくために一番必要な、「言葉」というツールに苦手を抱えて、なおかつ、学生時代に学力よりも優劣が浮き彫りになる運動能力も周りより低い、ネガティブ感情を親にも表現出来ない、となれば、癇癪や多動や多害がなく穏やかな息子ですが、普通学級に入れることは不安でいっぱいでした
支援学級であれば、傷つかずに、息子のペースで伸ばしてもらえるということは大きなメリットであると分かっていましたが、支援学級では多くの同級生から受ける刺激、それによる成長という大きな恩恵が受けられないのではないかという想いがありました
支援学級には同級生には女の子一人しか入学予定がないと知っていたので、
同級生がひとりなのか、それとも100人以上いるのか、では大違いだと考えていました
また、息子の場合、本人に支援学級と普通学級のことを理解させ選ばせるには、まだ幼すぎるということもあり、親が将来をある程度決めてしまう、支援学級という線路に乗せることへの大きな大きな責任を感じていました
迷いに迷って、こんなに決められない選択は自分の人生で初めてだなと思いながら、周りに弱音をたくさん吐いて、とくにわたしは仲の良い姉が二人いますので、二人には本当に話を何度も聞いてもらい支えてもらいました
夫も幸いに育児には熱心な人です
しかし、この時期感じていたのは、
夫は息子の将来のことを考え、将来のために何が必要か、ということを優先するが、母であるわたしは
息子の今の幸せ、日々の困難を少なくしてあげたい、サポートしてあげたいという気持ちが第一であるという大きな二人の違いでした
強くなるためには、
社会で生きていくためには、
傷つくことも折り込みずみでやらせるのが本人のため、
という考えは厳しい社会で実際に外で働く夫だからこその、最もな意見ではあります
でも、母性というものは、この子の辛さは自分の辛さであり、守ってあげなければと思って動くのです
その二つのバランスが大切であり、母だからこそのその視点と母性を変える必要はないなと思います
でも、この難しい決断で一番背中を押してくれたのは、深くは関わってこなかった福岡時代の息子の同級生のママでした
そのママは、出産前は特別支援コーディネーターの仕事をしていた方です
息子の同級生のお母さんですが、幼稚園で同じクラスになったことがなく、息子のことは詳しくは知らなかったと思います
でも、普段のお迎えのときの様子や行事での様子などで息子のことも見てわかっていることは勿論ありましたし、一度だけ息子が療育に通っていることを話たことがありました(そのママが支援コーディネーターをしていたと話てくれたときに、実は息子が療育に通っていて…と打ち明けると驚いていました)
そのお母さんにメールで意見を聞いたところ、電話をかけてきてくれて、考えを言ってくれました
それこそが、“普通学級にトライ出来るのは最初で最後だよ”、というものでした
躓きはわかった上で、“挑戦する気持ちでの選択”
それがとてもこころに響きました
「勉強大変になると思うけど、そこで◯◯ちゃん(私)が頑張るの、頑張るのはお母さん、◯◯ちゃんなら頑張れるよ!」
その言葉に本当に力をもらったのです
もうひとつ、支援コーディネーターをしていたからこその助言もありました
それは、最初から支援学級に行くと、支援学級への不満がどんどん出てくると思う、ということでした
いま、実際に普通学級を経て支援学級に行ってみて、その言葉に説得力を感じます
普通学級でダメだった、
普通学級の先生では対応しきれなかった、
そういう経験があるので
今の支援学級に対してとにかく感謝が強いのです
支援学級の体制がどれ程有難いものか、と感じるのです
実際にうちの支援学級の先生たちが本当に素晴らしく、息子がぐんぐん伸びているからなのですが
そのママは、「わたしは答えはひとつしかないよ、普通学級に挑戦する、わたしは◯◯くんに対してはそれしかないと思う
」
そこまで、はっきりと言ってくれました
そのママの電話は大きなエネルギーになり、私達が普通学級を選択することが出来たと思います
長い話をいつも聞いてくれる姉やたまに相談したときに考えを言ってくれる弟、幸せを願ってくれる友達などみんなの支えがあり頑張ってこれたことは言うまでもありません
さて、実際に挑戦してみて何にどう躓いたか、というのはまた改めて書き記したいと思います